2012 Fiscal Year Research-status Report
CEA遺伝子familyの癌と周囲組織における発現と相互作用の検討
Project/Area Number |
23592956
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小池 博文 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (10595995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鵜澤 一弘 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30302558)
坂本 洋右 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (50451745)
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Keywords | 口腔癌 / CEA遺伝子群 / 浸潤 / 転移 |
Research Abstract |
CEA family は免疫グロブリンスーパーファミリーに属し、免疫、脈管形成、アポトーシス、腫瘍抑制、転移に関与すると言われ、細胞接着タンパクとしても機能している。本研究では、口腔扁平上皮癌細胞とその周囲間葉系細胞におけるCEA family遺伝子の役割を、特に、浸潤・転移との関係で調べ、治療のターゲット遺伝子になる可能性を検討する。 昨年度はCEA familyからCEACAM1,3,4,5,6,7,8を抽出し、特にCEACAM1のmRNAおよびタンパク発現レベルが口腔扁平上皮癌由来細胞株にて有意に発現が低下していることを明らかにした。さらに、免疫化学染色法により口腔扁平上皮癌患者の臨床検体における解析の結果、正常上皮細胞において発現増強、正常周囲間葉系細胞において発現減弱、扁平上皮細胞癌において顕著な発現減弱、癌周囲間葉系細胞において発現減弱を示し、発現強度が腫瘍径と相関していることが分かった。本年度は口腔扁平上皮癌由来細胞株を用いてCEACAM1強制発現細胞株を作成し、CEACAM1が口腔癌の進行にどのように関与しているか検証した。実験に使用したCEACAM1強制発現細胞株は、口腔癌由来細胞株の中で特にCEACAM1の発現が低下していたHSC-2とHSC-3に全長のCEACAM1 cDNAをプラスミドを用いて導入し、mRNAおよびタンパク発現が有意に上昇していることを確認できたものを使用した。結果、CEACAM1強制発現株ではコントロールと比較して、増殖能および浸潤能が明らかに低下していた。一方、今回の検証では遊走能に差はなかった。CEACAM1の発現は口腔扁平上皮癌における腫瘍の進展と大きく関与している可能性が示唆された。今後、線維芽細胞株との共培養を行いCEACAM1の発現による周囲組織への影響を検証する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CEACAM1強制発現細胞株を作製できたことにより、CEACAM1と口腔癌の進行の関連性について更なる検証を行えるため。
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Strategy for Future Research Activity |
CEACAM1の発現が口腔癌の進展に重要な役割を持つ可能性が示唆された。さらに、臨床検体においても腫瘍の進展に関与していることから、生体内においてはCEACAM1が直接的または間接的に周囲組織に影響している可能性が高い。そのため、今後は培養繊維芽細胞とコントロールまたはCEACAM1強制発現株を共培養することでCEACAM1が生体内の腫瘍周囲組織に与える影響を検証する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし。
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