2013 Fiscal Year Research-status Report
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23592958
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
新中 康史 東京医科歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (80361715)
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Keywords | 浸潤・転移 / 遊走 / 発現 |
Research Abstract |
ヒト口腔扁平上皮癌細胞total RNAより2本鎖DNAを作製し、ヒト自己分泌型遊走因子相補遺伝子(SCC drived hAMF cDNA)をPCRにて増幅、単離し、これを発現ベクターであるPBKCMVおよびPCDNA3.1に組み込んだ。これと並行してhANFをsilencingさせるためのanti-hAMF ribozyme DNAを作製し、これも同様に発現ベクターであるPBKCMVおよびPCDNA3.1に組み込んだ。これらの発現ベクターを大腸菌内で少量調整し発現効率を比較した結果から効率の高いPBKCMVを採用した。次にPBKCMVをヒト扁平上皮癌細胞HSC-3にripofectamineを用いて遺伝子導入し、G418を用いて選択を行い、3ヶ月後に安定株を得た。ベクターのみの株、ribozymeを結合したベクターの株を比較すると、AMFの発現は抑制されていることが認められたが、hAMF cDNAをベクターに結合した株ではベクターの増殖およびAMFの発現増強を認めるものの、明らかなAMF発現増強による影響を認めなかった。そこでAMF cDNAの塩基配列を確認すると1塩基に置換が生じていることが明らかとなった。そのためアミノ酸に置換を帰結し故に立体構造に変化を引き起してAMFとしての機能を失ったものと考えられた。恐らくPCRによるものと考えられるため、現在正規の配列を持つhAMF cDNAの作製に取りかかっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
DNA配列決定には技術的な進歩があり片側で約500bp程の塩基を読み取ることができる。hAMF cDNAは1.8 kbと長いため、DNA配列決定には1kbと0.8kbの2つの断片に分けて行った。そのため0.8kbの断片は双方向で重複して確実に読み取ることができたが、1kbの断片の中央部分はやや曖昧であった。一方では正確に一致していたため問題ないとして先に進んだが、結果として不一致であった。期限が迫っていたためそのままG418選択による安定株の作製へと進んだが、機能解析の実験では期待を裏切る結果となった。従ってAMFの発現抑制に起因する機能抑制に関しては満足する結果は得られたものの、比較すべきAMFの発現増強に起因する機能促進の結果は得られていない。
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Strategy for Future Research Activity |
PCRに関しては最も信頼性の高い酵素はTAKARA Taqであり、現在はこれを用いてPCRを行っている。またDNA配列決定に関しては制限酵素を用いて300~500bpくらいの小さな断片にして正確性を期した配列決定とする。動物実験まで至れるかは簿妙な所ではあるが、安定株の作製とそれを用いた機能解析までは少なくとも進行させる予定でいる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験結果からやり直しを余儀なくされたこと、きちんとした結果を得るためには金額ではなく時間だけが必要であったこと。そのため、無駄な試薬の消費は控えて次年度へ持ち越しての再実験と研究計画を変更したため。 ほぼ全てを物品特に試薬へと充当する。内容はPCR関連試薬、遺伝子組換え関連試薬、細胞培養関連試薬にほとんどを充当することとなると予想される。
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