2013 Fiscal Year Annual Research Report
口腔粘膜癌におけるヨード生体染色機序およびグリコーゲン代謝異常の解明
Project/Area Number |
23592959
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
栗田 浩 信州大学, 医学部, 教授 (10273103)
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Keywords | ヨード染色 / 口腔扁平上皮癌 / 糖代謝 / ルゴール染色 / 生体染色 |
Research Abstract |
平成25年度には以下の結果が得られている。 1,細胞内グリコーゲン代謝異常の解明:ヨード染色結果と糖の新生に関連する酵素(glycogen synthase, GS and phospho-glycogen synthase, PGS) と分解に関連する酵素(glycogen phosphorylase isoenzyme BB, GPBB)との関連について、免疫組織学的に検討した。その結果、不染域と染色域の間でGPBBの発現に有意差があり、ヨード不染の細胞では糖の分解が更新している可能性が示された。一方、GSおよびPGSに関しては不染域で増加傾向にあるものの有意差は見られず、糖の新生に差は無いと考えられた。現在、これら酵素の発現状況の定量化に関する実験を追加で行っている。 研究期間全体を通して、以下の成果が得られた。 1,ヨード呈色反応の場:ヨード溶液は染色域の上皮1/2まで浸透し、同部ではグリコーゲンの存在もPAS染色で確認され、同部がヨード生体染色反応の場と考えられた。加えて、電顕的な観察を行い、上皮細胞内には3つのパターン(full-, surround- and scatter-types)でグリコーゲンが存在していることを明らかにし、そのうち2つのタイプ(full- and surround-type)でヨードとの反応が起こっていると考えられた。 2,OSCC細胞における細胞内グリコーゲン代謝異常の解明:OSCC細胞では正常細胞に比べて、(1)糖の細胞内への取り込み促進:Glucose transporter type 1の発現増加、(2)グリコーゲンの合成はやや促進、(3)グリコーゲンの分解促進:Glycogen phosphorylase isoenzyme BBの発現増加を確認し、癌細胞ではグリコーゲンの代謝(主に分解)が亢進していることを明らかにした。
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Research Products
(2 results)