2013 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌再発に関わる骨髄単球細胞のマクロファージへの分化機構
Project/Area Number |
23592971
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
來生 知 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (30545059)
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Keywords | 骨髄細胞 |
Research Abstract |
本年度も骨髄細胞と癌再発の関連性について研究を行った。口腔がん細胞を用いたマウス皮下腫瘍モデルではCD11b+骨髄細胞は腫瘍の再発、再増殖が開始する直前にあたる照射後2週目で最も多く腫瘍内へ遊走されていた。また、CD11b+細胞群のうち、より腫瘍の血管形成に関与するとされるTie2+の細胞群も照射後2週目の腫瘍において最も多く認めた。さらに、放射線治療だけではなく抗癌剤治療後の腫瘍に関する検討を加えた。同様の方法で担癌マウスを作製し、コントロール(未治療)群、ドセタキセル投与群、ドセタキセル+Carageenan(CAR)投与群に分け腫瘍の増殖を観察したところ、ドセタキセル単独では抗腫瘍効果は薄く投与後も腫瘍は増殖するが、マクロファージ枯渇作用を持つCARを併用投与した群においては、TXT投与後の腫瘍の増殖が著明に抑制された。このことから、ドセタキセル治療後の腫瘍の再増殖にマクロファージが関与していることが示唆された。続いて、マクロファージの分化系に関して検討した。骨髄由来単球細胞は末梢でマクロファージに分化されるが、マクロファージにはM1、M2の2つの分化があり、腫瘍の増殖にM2の分化系が寄与することが報告されている。様々な誘導物質で検討した結果、腫瘍の再発、再増殖がより促されていた検体において、全てのマクロファーにおけるM2マクロファージの占有率が高いことが免疫染色にて確認されたため、M2マクロファージと腫瘍の増殖には正の相関性があることが示唆された。
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