2013 Fiscal Year Research-status Report
人工骨補填材を用いた生体内での血管柄付骨組織再生に関する実験的研究
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23592973
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
山下 善弘 宮崎大学, 医学部, 准教授 (30254634)
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Keywords | 血管柄付骨組織 / 人工骨 / 骨再生 |
Research Abstract |
現在までわれわれは骨再生および人工コラーゲンスを用いてラットなどの小動物の背部の筋膜下に骨誘導物質や骨前駆細胞を埋入し,非常に少量の人工骨を再生することに成功している. 本研究は大型動物における既存の血管を利用し,人工細胞外マトリックスや生体吸収性のセラミックβ-TCPブロックを組み合わせて人工的に栄養血管を有する骨組織を再生し,人工的に作成した硬組織皮弁(Prefabrication engineered flap)の作成し,さらに同一の大型動物の生体内の他部位での生着を確認し,今後の臨床応用の可能性について検討することである. これまでの本実験では平成23,24年度にビーグル犬実験を開始するための実験環 境の整備および予備実験を行い, 骨形成状態を観察した。これにより埋入後6から9カ月にて骨形成と思われる像が認められ、血管柄付骨組織の摘出時期を決定した。 平成25年度の実験ではビーグル犬を4頭用意し、コントロール群と共に骨形成事件を行った.実験方法としてはビーグル犬両側の広背筋下にて肩甲下動静脈を約10cm剖出し,動静脈先端部にてshuntの形成を行う.6gのβ-TCPを埋入させたchamber内に血管孔を通してshuntの形成された胸背動静脈を埋入した.同ビーグル犬より採血した血液を用いて遠心分離を行いPlate rich plazma(PRP)を作成し,5頭においてβ-TCPを埋入させたchamber内に投与し骨形成能を向上させた.広背筋下の Chamberの固定ではchanberのwing部を利用し縫合固定した.現在,chanber埋入後6-7カ月経過しており,micro CT等を用いてChanber内の骨形成状態を確認中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度の予備実験としてのの生体内での人工骨から骨組織形成までの期間が6カ月以上必要であり、それに伴い本年度の本実験としての骨形成に時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度はビーグル犬4頭8側の広背動静脈のAV shunt loopを用いてβ-TCPブロックを足場とする血管柄付き再生骨の作成の確認を行い,形成された再生骨の解析を行う.生成骨の改正実験では4頭中2頭4側のVascularized prefabrication engineered flapのchamberを摘出し,この時,肩甲下動静脈を腋下動静脈まで剥離し,chamberとともに摘出する. chamber摘出と同時に胸背動静脈の切断端よりカテーテルを挿入し,血管造影剤(5%ゼラチン含有60%硫酸バッリユム,ウログラフィン)を投与し,軟エックス線撮影にて再生骨内の血管新生を確認.軟エックス線撮影後,同検体を脱灰H-E染色標本,Masson,s trichrome染色,Von WillebandFactor(VWF)の染色を行い組織学的検索を行う.再生骨組織の体積測定:血管束と直角方向に2mm間隔で連続切片を作成し,各再生骨の面積(A1~An)までをVideo Pro32 color image analysis software (Watcom C386 and 386/ASM)で測定し,再生骨組織量(V)を面積の総和(A1+A2+・・・・)にて算出する.再生骨内の新生血管の面積および再生骨組織量(V)をPRP投与群および非投与群に て比較検討する.
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