2015 Fiscal Year Annual Research Report
人工骨補填材を用いた生体内での血管柄付骨組織再生に関する実験的研究
Project/Area Number |
23592973
|
Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
山下 善弘 宮崎大学, 医学部, 教授 (30254634)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2016-03-31
|
Keywords | 顎骨再建 / 血管柄付骨 / 骨再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔外科領域で発生する骨組織の欠損には軟組織皮弁の有用性はない.実際の臨床で認められる悪性腫瘍切除後などの大量の骨組織欠損には応用が不可能であり,これを可能にするものはやはり血管柄付骨組織である.もしこの血管柄付骨組織を人工的に同一生体内の合併症の少ない部位で作成することが可能になれば,現在のマイクロサージェリーを用いた骨再建がドナー側での合併症を起こすことなく可能になると思われる.今回の研究ではビーグル犬16頭を使用し、生体吸収性のセラミックb-TCPブロックを広背筋筋膜部に埋入し,これを足場とする血管柄付骨組織の作成を試みた。 16頭のうち、13頭にb-TCPと共に自己血を埋入し、3頭については自己血のみを埋入し、コントロール郡とした。半年後chamberを回収し、組織学的に検索をした。b-TCPを入れた群では13頭中7匹で骨形成が見られた。b-TCPの量で比較すると0.3g入れた群では1/4(25%)、0.5g入れた群では4/7(57%)、0.7g入れた群では2/2(100%)であった。 組織学的にはb-TCPを入れた群では骨の形成が見られ、その周囲や骨内で微小血管が確認された。これらの微小血管からの栄養により骨の成長が助けられた可能性が示唆された。これら微小血管は免疫染色(SMA , Masson trichrome)により確認された。骨の周辺に存在する顆粒状物はおそらく骨になりきれなかったであろうb-TCPと考える。周囲を観察する限り、強い炎症細胞浸潤や異物反応はない。 今回の結果から、炎症反応や異物反応なく血管柄付骨組織の作成に成功した。 しかし、chanberに対しての骨組織の形成量は少量であり、また骨に成りきれなかったb-TCPや骨組織内への脂肪組織の侵入などが見られることから、より良い再生骨を得るためのアプローチが必要と考えられ、今後の課題である。
|
Research Products
(1 results)