2011 Fiscal Year Research-status Report
多血小板血漿を歯の移植に応用する‐in vivoとin vitroの検討‐
Project/Area Number |
23592983
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
新美 奏恵 新潟大学, 医歯学総合病院, 特任助教 (20397136)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芳澤 享子 新潟大学, 医歯学系, 助教 (60303137)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | 多血漿板血漿 / 歯の移植 |
Research Abstract |
PRPはもともと骨の再生に効果があるといわれ注目されてきたが、歯の移植へのPRPの応用による歯周組織治癒促進効果についても基礎的研究は全くなかった。そこで我々はラットを用いたPRPを併用した歯の再植の動物実験モデルを作製し、その結果PRPを応用した移植歯周囲歯肉が応用しなかった場合より早期に上皮化する傾向にある事が示唆された。そこで、本モデルを用いて歯の再植を行った部位の歯肉上皮の治癒過程を形態学的に観察した。またラット上顎臼歯を2本抜去後、2本の抜歯窩を連続させ歯槽骨欠損部とし、(1)PRP歯の再植にPRPを応用する実験、(2)ラット抜歯窩へPRPを応用する実験を行った。<研究の概要>1.ラット心臓部より採血し、PRPを作成する。2.ラットの上顎第一、第二、第三臼歯を抜歯し、同部の抜歯窩を連続するように骨を削除する。あらかじめ別のラット心臓より採血し、PRPを調整する。ラットを(1)(2)とも術後12時間、1、3、5、7日目に周囲組織を含めて摘出する。摘出した標本はさらに10%ホルマリン溶液にて浸漬固定後、EDTAにて脱灰し、形態学的に観察を行った。<結果>(1)ラット歯の再植へのPRP応用の実験抜歯と再植にPRPを応用した群は、抜歯と再植のみ行った群に比して経過観察中全ての時点において炎症細胞の浸潤が少なかった。術後5日目の肉眼所見とH-E染色の所見では、対照群では再植した歯の歯周組織には好中球を始めとした炎症細胞の浸潤が多くみられたのに対し、実験群では炎症細胞浸潤は少なく、抜歯窩の上皮化も認められた。(2)ラット抜歯窩へのPRP応用の実験肉眼での観察で、術後3日目では抜歯窩のみ行った群と抜歯窩にサージセルを挿入した群では抜歯窩中央に血餅が残存していた。PRPを応用した群の抜歯窩周囲より上皮化がみられた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
歯の再植と抜歯窩にPRPを応用し、組織学的検索を行うことができた。その結果PRPを応用した群で他の群より抜歯窩の治癒と上皮化が促進されることが示唆され、今後免疫組織学的検討とin vitro で再生上皮の再生速度の違いの検索などを行うができると考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
1。パラフィン連続切片を用いて以下の4種類の抗体を使用し、免疫組織染色を行い、上皮再生の過程について経時的に術後12時間、1、3、7日目で免疫組織学的に観察する。(a) Ki-67, 細胞増殖マーカー(b) p63, 上皮幹細胞マーカー(c) Keratin 14, 上皮基底細胞マーカー(d) Laminin5, 上皮組織基底膜成分2.in vitro でのヒト歯肉上皮細胞の細胞増殖能の観察を行う。96wellプレートに3000個/wellのヒト歯肉細胞を播種し、(1)コントロール(成長因子不含)(2)活性化したPRP上清を加えた群(3)成長因子を加えた群、(成長因子;rhKGF、rhPDGF、rhTGFβ、rhEGF)に分け4日間培養を行ったのち、MTTアッセイにより細胞の増殖能を計測する。また、2.群には活性化したPRP上清を培養液で10、20、100倍に希釈したsubgroupを作製する。これによりPRP上清よるヒト歯肉上皮細胞増殖能を検討、評価する。3.群にはrecombinantの成長因子を添加し、PRPを添加した場合との比較検討を行う。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
免疫組織学的検索に必要な抗体、培養、MTTアッセイに必要な消耗品の購入、必要に応じて染色や培養を行う際の謝金、学会報告のための旅費に使用予定。
|
Research Products
(1 results)