2013 Fiscal Year Annual Research Report
パーキンソン病モデルラットにおける疼痛感覚異常の解明
Project/Area Number |
23592988
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
丹羽 均 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (30218250)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉村 光隆 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (90244954)
正脇 綾 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (50609659)
前川 博治 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (10711012)
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Keywords | パーキンソン病 / 痛覚 / 口腔顔面痛 / ホルマリンテスト / 疼痛関連行動 / c-Fos / ラット |
Research Abstract |
1.ホルマリンテストによる炎症性疼痛に対する行動学的反応の検討:内側前脳束に6-hydroxydopamine(6-OHDA)を注入し、両側のドーパミン神経細胞を破壊したパーキンソン病(PD)モデルラットの左側上口唇にホルマリン溶液を注射し、炎症性疼痛に対する疼痛関連行動(顔面こすり運動)の観察を行った。4%ホルマリン溶液50µlを上口唇に皮下注射し、5分ごとに90分間、疼痛関連行動の回数を測定した。 2.炎症性疼痛に対する免疫組織学的反応の検討:PDモデルラットの上口唇へのホルマリン注射2時間後に灌流固定を行った。その後脳を取り出し、三叉神経脊髄路核尾側亜核の凍結切片を作製し、c-Fosに対する免疫組織学的染色を行った。切片の三叉神経脊髄路核尾側亜核内に認められるc-Fos陽性細胞数を顕微鏡にて計測した。また、線条体と黒質の凍結切片を作製し、tyrosinehydroxylaseに対する免疫組織学的染色を行った。 3.結果:実験に用いた、内側前脳束に6-OHDAを注入したラットでは、両側の黒質と線条体においてtyrosinehydroxylase免疫反応性の著明な低下が認められた。一方、内側前脳束に生理食塩水を注入したコントロール群のラットでは、黒質と線条体においてtyrosinehydroxylase免疫反応性の低下は認められなかった。6-OHDAを内側前脳束に注入した群と、内側前脳束に生理食塩水を注入したコントロールラットにおいて、疼痛関連行動の回数に有意な差は認められなかった。三叉神経脊髄路核尾側亜核内のc-Fos陽性細胞数は、6-OHDAを内側前脳束に注入した群と生理食塩水を注入した群との間で有意な差は認められなかったが、6-OHDAを注入した群で増加傾向が認められた。
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