2012 Fiscal Year Research-status Report
骨伝導性と破骨細胞吸収性を併せ持つ高機能型GBR複合膜の開発
Project/Area Number |
23592993
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
武知 正晃 広島大学, 医歯薬保健学研究院(歯), 准教授 (00304535)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌田 伸之 広島大学, 医歯薬保健学研究院, 教授 (70242211)
太田 耕司 広島大学, 大学病院, 助教 (20335681)
中川 貴之 広島大学, 大学病院, 病院助教 (30456230)
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Keywords | 骨伝導性 |
Research Abstract |
生分解性高分子のポリ乳酸グリコール酸共重合体(PLGA)に低結晶性炭酸アパタイト(CO3Ap)と各種細胞成長因子を複合化することで、上皮細胞を遮断する機能だけでなく、骨芽細胞の増殖や分化を積極的に促し、最終的には骨リモデリングに調和し、生体内で分解吸収され完全に骨に置換されるGBR膜を開発することである。平成24年度はFGF-2含有PLGA/ CO3Ap複合膜の破骨細胞吸収活性のインビトロ評価と骨芽細胞を用いたFGF-2含有PLGA/ CO3Ap複合膜のインビトロ評価を行った。まずFGF-2含有PLGA/ CO3Ap複合膜上に破骨細胞を播種し、一定期間培養し、その後、破骨細胞の吸収活性をセメント表面の吸収窩数および吸収窩面積より定量化した。また破骨細胞による吸収活性の評価と疑似ラッフルボーダー実験によるPLGA/ CO3Ap複合膜の溶解速度の結果から、FGF-2含有PLGA/ CO3Ap複合膜の溶解性が破骨細胞による吸収に及ぼす影響を検討した。その結果、FGF-2含有PLGA/ CO3Ap複合膜は破骨細胞吸収活性が高く、 CO3Ap濃度に依存して高くなる傾向を示した。 次にFGF-2含有PLGA/ CO3Ap複合膜上に骨芽細胞を一定時間培養し、MTT、PICP、ALP、 オステオカルシンなどから骨芽細胞の活性を評価し、FGF-2が骨芽細胞の活性化に及ぼす 影響を検討した。その結果、FGF-2含有の複合膜において、優れた骨分化および増殖能を認め、さらにコラーゲン合成量やALP活性も経時的に高くなる傾向を示した。以上より FGF-2含有PLGA/ CO3Ap複合膜はインビトロ実験においては骨芽細胞の増殖や分化を促し、生体内で分解吸収される優れた複合膜となりうる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請に提出した計画内容と実施する年度どおりに研究が進んでおり、ほぼその結果についても予定どおりに達成されているため、今後もスムーズに研究計画に沿った実験が可能であるため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、FGF-2含有PLGA/ CO3Ap複合膜による骨組織修復能力の実験動物を用いた短期評価とFGF-2含有PLGA/ CO3Ap複合膜による骨造生とインプラント植立実験を行う予定である。本研究(計画)に使用する機器、器材も所有し、動物実験を規則に準じて適切に行う施設もあるため、問題なく研究の推進が図れる体制である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は、動物を用いた実験を行うため、研究費は試薬、実験動物(含エサ代)に使用する予定である。特に現在のところ、研究計画の変更などは考えておりません。
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