2011 Fiscal Year Research-status Report
骨形成タンパク質NELL1による骨・軟骨誘導とその臨床応用
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23592999
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
織田 光夫 昭和大学, 歯学部, 兼任講師 (30359492)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | NELL1 / 骨形成 / 軟骨誘導 |
Research Abstract |
新たなタンパク質NELL1は1999年に大阪大学産業化学研究所(現・名古屋大学農学部教授)の黒田俊一がその遺伝子クローニングをし(黒田ら,BRRC 265:79-86,1999),片山化学工業(大阪)において精製タンパク質として生産されたものである. NELL1はこれまでの研究からin vitro ならびにin vivo においてBMPと異なる作用機序により骨誘導能を有することが明らかとなってきた.我々はこれまでの研究過程で,NELL1が骨芽細胞分化誘導だけでなく,軟骨細胞誘導能を有することを見いだした.本研究は,これまでの結果に基づき,すでに確認された骨形成能に加え,新たに見つかった軟骨形成能について,in vivoにおいて解析を進めるとともに,NELL1のより効率的な骨.軟骨誘導条件を決定し,臨床応用への道を拓くことを目的とするものである. H23年度はWistarラット大腿骨モデルを用いた実験をおこなった.マイクロCTによる誘導される骨組織の定量的解析の結果,実験群とNELL群で骨形成量に圧倒的な差があるものの,投与濃度1ug,15ug,25ug間で有意差が診られなかった.脱灰組織標本では従来どおり新生骨の形成を確認できるものの,担体(NELL1含有)の周囲に新生骨が見られず,前述の濃度勾配に依存しない状況と合わせると,高濃度のNELL存在よりも周囲細胞・組織を治癒方向に活性化させる働きを表現したものと考察している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験結果より高濃度のNELL存在よりも,NELL1の働きが周囲細胞・組織を治癒方向に活性化させる働きを表現する,新たな発見があった.そのため,H23年予定の「コラーゲンスポンジに替わる担体の検討」については先送りとし,新たな発見の理解に取り組んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
実験結果より高濃度のNELL存在よりも,NELL1の働きが周囲細胞・組織を治癒方向に活性化させる働きを表現する新たな発見があった.そのため,H23年予定の「コラーゲンスポンジに替わる担体の検討」についてはH24年度実施とし,H24年度は「ラット膝関節モデル」,「ラット血管柄付移植骨作成モデル」に取り組む.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
H23年予定の「コラーゲンスポンジに替わる担体の検討」と,当初よりH24年度計画である「ラット膝関節モデル」,「ラット血管柄付移植骨作成モデル」に取り組む.昨年度の「コラーゲンスポンジに替わる担体の検討」に関する経費がH24年度に繰り越しとなっているため,研究費活用についても過不足なく実施できる予定である.
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