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2012 Fiscal Year Research-status Report

催眠・鎮静薬による健忘作用に対するアデノシン受容体の関与

Research Project

Project/Area Number 23593000
Research InstitutionTokyo Dental College

Principal Investigator

櫻井 学  東京歯科大学, 歯学部, 准教授 (50225843)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 宮脇 卓也  岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (00219825)
Keywordsアデノシン / 健忘作用 / アミノフィリン / ミダゾラム / プロポフォール
Research Abstract

鎮静状態と健康効果について観察した.実験1では有志の男性20人を対象とし,ミダゾラム(以下M)単独およびATP併用投与の2群に分け105分間の観察を行った.M 単独では0.06 mg/kgを1回投与し,ATP併用ではM 0.04 mg/kg投与後,ATP製剤の投与速度を100 μg/kg/minとし50分間持続投与した.両群ともM 投与後30分にはBISが約60となり,同程度の鎮静状態が得られた.健忘効果は5枚の絵を鎮静開始前および鎮静開始後30分に記憶させ,鎮静開始後105分および24時間後に健忘の有無を確認することで評価した.その結果,鎮静前に対する逆行性健忘は両群とも認められなかった.M 投与30分後に対する健忘は,M 単独群で105分,24時間とも5例,ATP併用群では105分,24時間とも7例にみられた.実験2では有志の男性20人を対象とし,プロポフォールム単独投与とプロポフォールおよびATP併用投与の2群に分け105分間の観察を行った.プロポフォール単独では予測血中濃度が1 μg/mlとなるように50分間投与した.ATP併用ではプロポフォールの予測血中濃度が0.7 μg/mlとなるように50分間投与し,同時にATP製剤を投与速度100 μg/kg/minで50分間持続投与した.両群ともプロポフォール投与後50分にはBISが約60となり,同程度の鎮静状態が得られた.健忘効果は5枚の絵を鎮静開始前および鎮静開始後55分(プロポフォール投与中止後5分)に記憶させ,鎮静開始後105分および24時間後に健忘の有無を確認することで評価した.その結果,鎮静前に対する逆行性健忘は両群とも認められなかった.鎮静開始後55分後(プロポフォール投与中止後5分)に対する健忘は,プロポフォール単独群で105分,24時間とも3例,ATP併用群では105分で7例,24時間に8例にみられた.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

今回,ミダゾラム単独とATPを併用した鎮静で,鎮静レベルを同程度することにより,ATPの健忘効果について評価した.ミダゾラムには,ベンゾジアゼピン受容体へ作用し鎮静効果を得るが,アデノシンのuptake inhibitorとしての作用もあり,それにより中枢でのアデノシンが増加することが考えられる.一方,アデノシンには催眠に影響を与えると考えられており,それにより鎮静効果が発現することが考えられる.健忘効果にアデノシンが強く関与しているとすれば,アデノシンの前駆物質であるATPを投与することにより,鎮静が同レベルでも,健忘効果が強く認められるが,今回の投与量ではその効果は軽度であった.一方,プロポフォールではアデノシン受容体刺激による健忘増強効果の可能性が示された.

Strategy for Future Research Activity

有志の男性20人を対象とし,ミダゾラム0.06mg/kg投与後30分にアデノシン受容体の拮抗薬であるアミノフィリン5mg/kg,あるいはベンゾジアゼピン受容体の拮抗薬であるフルマゼニル0.3mgを投与する2群に分け観察・記録を行った.本年度はそれを分析する.本研究の目的は,アデノシン受容体およびベンゾジアゼピン受容体を拮抗させ,健忘効果への影響を観察することにより,それぞれの受容体の健忘効果への影響を評価することにある.
測定項目:
【鎮静レベルと覚醒反応】BIS値から鎮静状態の評価し,鎮静レベルのコントロールの指標とする.【健忘効果】2枚の絵を鎮静開始前および拮抗薬投与後後5分に記憶させ,鎮静開始後105分および24時間後に健忘の有無の確認.【循環】心拍数,血圧,心電図.90分間5分間隔の観察.【呼吸】呼吸数,1回換気量,分時換気量,終末呼気炭酸ガス濃度,経皮的動脈血酸素飽和度.90分間5分間隔に観察.【血清ミダゾラム濃度および血清テオフィリン濃度】高速液体クロマトグラフィーを用い測定.

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

設備・備品:すべての設備が現研究環境で整っており,平成25年度に新たに機器・備品は購入しない.
消耗品費:【テオフィリン測定キット】テオフィリンの血清濃度測定のために必要となる.【HPLC試液】HPLC用のメタノール,アセトニトリル,蒸留水などが必要となる.【マイクロピペットおよび器具】採血血液処理時に使用する.ピペットチップ,試験管(TPXチューブ)など.【データ解析ソフト,参考図書など】統計処理,学会発表,論文投稿時に使用する.【薬品】ドルミカム(ミダゾラム),アデホス注(ATP製剤),ネオフィリン注(アミノフィリン)など:追加実験用.【脳波スペクトル分析装置センサー(BISモニタセンサー)】追加実験用
旅費・その他:【旅費】岡山大学の研究分担者との打ち合わせ,および国内外の麻酔学会での発表.【印刷費】国内外の雑誌へ結果をまとめ投稿する.

  • Research Products

    (1 results)

All 2012

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] ミダゾラム鎮静からの回復 -フルマゼニルとアミノフィリンの比較 第2報-2012

    • Author(s)
      櫻井 学,岡本聡太,久木留宏和,松木由紀子,一戸達也
    • Organizer
      第40回日本歯科麻酔学会総会・学術集会
    • Place of Presentation
      福岡県福岡市
    • Year and Date
      20121005-20121005

URL: 

Published: 2014-07-24  

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