2011 Fiscal Year Research-status Report
ストレスは痛みの伝達機構に影響をもたらすか?―不安による侵害刺激伝達変調の研究―
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23593009
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
坂本 英治 九州大学, 大学病院, 講師 (00295859)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 痛み / 不安 / うつ / 神経障害性疼痛 / 口腔顔面痛 |
Research Abstract |
口腔顔面痛を初め痛みは本来侵害的な刺激に対する危険信号で生体維持のうえでは不可欠な感覚である。しかし痛みが遷延する慢性痛は本来の防御機構としての痛みの意味から大きくかけ離れ、それそのものが人々を苦しめ生活の質を低下させる。これまで基礎、臨床で多くの疼痛研究がなされてきた。しかしいまだ多くの明らかでない課題が山積しているのが現状ある。 近年、慢性疼痛モデル動物では不安様行動、うつ様行動が認められ(Suzuki T et al. 2007)、実験的不安、うつモデル動物では痛覚過敏反応が認められる(Imbe et al 2006)など痛みには負の情動の変化が強く影響することを示唆する報告が散見される。情動ストレスが実験的慢性疼痛モデルにどう影響するかを検索する本研究では申請後に現職に異動となったために23年度は新たな研究システムの構築から始まった。本研究の行動評価のための高架式十字迷路、オープンフィールドを新規購入した。またストレス負荷のための温冷庫を購入して実験系の一部が確立された。本年度はあらたに組んだ実験系にてストレス負荷が動物の不安、うつ関連行動にどのように影響しているかを検索して現在の環境で安定したデータを得るために条件設定を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
異動に伴い実験系を新たに構築している段階であるが、機器も揃って予定としていた動物の行動観察を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は動物の行動観察に加え、脊髄内、脳内のグリア細胞の活性化を確認する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
足りない機器の追加と動物購入および研究成果まとめの為の経費として使用予定である。
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