2012 Fiscal Year Research-status Report
超高速X線デュアルビーム撮影によるラット咀嚼、嚥下と顎舌運動の高精度3D立体解析
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23593021
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
ゼレド ジョージ 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 非常勤講師 (10363459)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
粂井 康宏 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (30161714)
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Keywords | X線動画映像 / 咀嚼 / 嚥下 / 非侵襲モニタリング / マウス / 下顎運動 / 抗重力反射 |
Research Abstract |
研究の第2段階として、2台のX線照射装置を同時に用いて、高速カメラ(高額のためデモ品を借用)で非侵襲・非拘束状態でのマウス咀嚼・嚥下時の下顎運動のみならず、同時に横隔膜の動きや心臓拍動もX線動画像として取得することに成功した。X線映像は透過映像であり映像が2次元化してしまうため奥行に対する情報が欠落し、生体の姿勢変化が起こった際に角度情報に誤差が発生する問題が残った。顎の開きと首の回転の3次元関係については、首のひねりと回転の誤差は互いに正負の関係で打ち消されるため、総合的な誤差は非常に小さくなることがわかった。当該年度にマウスへの重量環境を変化させた条件で、咀嚼・顎運動、開口反射(抗重力筋である咬筋の反射を調べた実験では、各X線源の照射方向と同軸の可視光映像を撮影し、可視光観察とX線透過映像の観察データを互いに補完し、映像解析の精度を向上させることにも成功した。その結果、通常の地球1G環境では、抗重力筋である咬筋の働きによって閉口(咬合)状態となるが、これとは反対に無重力(0G)環境では、抗重力筋である咬筋が全く働く必要がないため、絶えず開口状態となり、その開口反射を惹起させる重力閾値が0.15Gであることを初めて明らかにした。これらの一連の成果をCOSPAR(インド)およびASGSR(米国)の各国際学会で発表するとともに、米国テキサス大学歯学部矯正科教授の招きで特別講義を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2台のX線照射装置を同時に用いて、高速カメラ(高額のためデモ品を借用)で非侵襲・非拘束状態でのマウス咀嚼・嚥下時の下顎運動のみならず、同時に横隔膜の動きや心臓拍動もX線動画像として取得することに成功した。各X線源の照射方向と同軸の可視光映像を撮影し、可視光観察とX線透過映像の観察データを互いに補完し、映像解析の精度を向上させることにも成功した。咀嚼と顎運動、抗重力筋である咬筋の重力反射の閾値が0.15G付近にあることを世界で初めて画像上で明らかにした。一連の成果について、インドおよび米国の国際学会で発表するとともに、米国テキサス大学で特別講義を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
例えば首の回転角が30°であった場合、仮に測定誤差が10%であるならば、開口した場合(開口角度40°)でも4°程度となる。首の回転角が20°であった場合、2~3°で画像計測上の測定誤差に内包されてしまうほど誤差が小さくなる。首のひねりが加わった場合には、首の回転では見かけ上顎の開きが大きくなるが、ひねりでは同じレベルで角度が小さくなる。動物の動きとシンクロさせて3次元的に誤差を可及的に小さくして測定するために、X線を照射して映像を取得している最中に、動物の動き、姿勢に応じて遠隔操作で動物の撮影方向、角度、位置を可変できる制御装置を付加した状態で、実験を行うことが望ましい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
遠隔操作移動制御システムの導入に研究費を投入して、X線撮像の精度を高め、同時に効率化を図る。
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Research Products
(4 results)