2011 Fiscal Year Research-status Report
自然免疫能賦活化を期待した新規創傷治癒用レジン剤の開発
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23593041
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
齊藤 正人 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (50337036)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安彦 善裕 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (90260819)
疋田 一洋 北海道医療大学, 歯学部, 准教授 (20238281)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 活性型ビタミンD3 / タイトジャンクション / claudin / TER |
Research Abstract |
平成23年度では、免疫蛍光染色にてヒト正常口腔粘膜上皮においてCludin(CLDN)の発現を観察したところ、 CLDN-1は有棘層細胞膜に、またCLDN-4は顆粒層細胞膜にそれぞれ局在を認めたため、CLDNは細胞分化に伴いCLDN-1からCLDN-4へタンパクの発現変化をする可能性が示唆された。また、ヒト角化上皮細胞株(HaCaT)におけるmRNA発現では、活性型ビタミンD3(VD3)添加によりCLDN-1の有意な減少からCLDN-4タンパクへの有意な増加へと発現変化することが明らかになった。さらに、HaCaT において培養細胞においての免疫蛍光染色においての同様の結果を認めた。 タイトジャンクションのバリアー機能を簡便かつ最も感度よく検出する方法である細胞間経上皮電気抵抗値を測定したところ、VD3を添加することによりの上昇がみられたため、物理的防御機構の向上が認められた。 化学的防御機構では、抗菌ペプチドであるVD3添加によるヒト角化上皮細胞株の分化誘導により、抗菌ペプチドであるヒトβディフェンシン(hBD)-1、-2、-3およびカセリディシン(LL-37)の発現変化を観察した。VD3添加および時間経過によりhBD -1、-2およびLL-37の発現が上昇し、VD3による化学的防御機構の亢進が認められた。 平成23年度の結果から、VD3添加によるヒト角化上皮細胞の分化誘導は、生体における物理的および化学的防御機構において非常に有用であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験計画に基づき進行しているため、遅延および不備等の問題は認めない。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、平成24年および25年においての研究予定として、(1)ラット舌下面の創傷に活性型ビタミンD軟膏を塗布。受傷後の細胞分化・細胞毒性の評価(2)ラット舌下面部創傷面に接着性レジンを塗布後の細胞分化・細胞毒性の評価(3)活性型ビタミンDもしくは抗細菌性ペプチドを含有した接着性レジンの作製を行っていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度以降の実験としては、in vitroが主体となるため、実験動物の購入および接着性レジン作製関連、標本作製関連、免疫染色関連、In situ hvbridization試薬の消耗品関連を購入するため使用する。
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