2012 Fiscal Year Research-status Report
microRNAに着目した歯の移動における周期的変動制御メカニズムの解明
Project/Area Number |
23593042
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
鍵谷 忠慶 岩手医科大学, 歯学部, 助教 (30405774)
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Keywords | MicroRNA / Osteoclast / Exosome / Microarray / Osteoblast / Bone / TNF-alpha / RANKL |
Research Abstract |
【目的】平成24年度は、まず、破骨細胞分化に重要なmicroRNAを見つけることを第1目標とした。次に、破骨細胞がmicroRNAを含むExtracellular Microvesiclesを分泌するかどうか、分泌するなら、どのようなmicroRNAを含むのかを調べることを第2目標とした。 【方法】 破骨細胞分化に重要なmicroRNAを見つけるために、RAW264.7を用いて、RANKL単独とTNF-αとRANKLを組合せの2通りで検討した。マイクロアレイ解析で網羅的に発現解析した後に、発現変動の大きかったmicroRNAについて、マウス初代骨髄細胞を使って、qRT-PCR法でアレイ解析の結果を検証した。 また、マウス初代骨髄細胞をM-CSFとRANKL存在下で培養して得られた破骨細胞の培養上清から、Extracellular Microvesicles ペレットを回収し、qRT-PCR法でmicroRNA発現を解析した。 【結果と考察】破骨細胞分化に重要なmicroRNAとしてlet-7e, miR-21, miR-33, miR-155, miR-210, miR-223, miR-378, miR-1224等が考えられた。この8種類のmicroRNAについて、破骨細胞が分泌するExtracellular Microvesiclesに存在するか調べたところ、miR-378, miR-210, miR-21は、多量に存在する一方、miR-33とmiR-1224は存在しなかった。以上より、破骨細胞はmicroRNAを含むExtracellular Microvesiclesを分泌するが、細胞内で発現している全てのmicroRNAが、Extracellular Microvesicles内に存在するとは限らないことが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成24年度は、破骨細胞分化に重要と考えられるmicroRNAを絞り込み、これらを過剰発現やノックダウンして、形成される破骨細胞数等について検討する予定であった。これについては、ほぼ予定通りに実行でき、論文もpublishすることができた。更に、予想よりも研究の進展があり、破骨細胞が、細胞外へ分泌するmicroRNAについても研究することができ、大変有意義で興味深い論文をpublishすることができた。総じて、平成24年度は、研究成果が実を結んだ年であった。
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Strategy for Future Research Activity |
動物実験で完結する予定であったが、ヒトでも同じことが言えるかを確認することとする。ヒト細胞での成果を得ることは、本研究を広い視点から俯瞰することを可能にし、より一層研究目的の達成へ近づくと考えられるためである。 1. ヒト破骨細胞分化でのmicroRNA発現解析 RANKLとTNF-αによるヒト破骨細胞分化におけるmicroRNAの変動をマイクロアレイ解析とqRT-PCRで検討する。得られたmicroRNAの変動データをTarget Scan やmiRandaといったソフトウェアを使って、時計遺伝子のmRNAのどのsiteと結合する可能性が高いか、予測する。こちらは、前倒し支払い制度を活用して、既に一部の実験を開始している。尚、使用するヒト細胞は、市販されているもの(CD14+ cells, Lonza社)を購入する。 2.ヒト時計遺伝子を制御しているmicroRNAの絞り込み 上記1で得られた予測結果をもとに、miRNA Expression Reporter Vector (Ambion社) へ標的時計遺伝子の3’UTR領域をクローニングし、ルシフェラーゼアッセイにて、そのmicroRNAが直接結合することを確認する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は、消耗品(ルシフェラーゼアッセイ用の人工合成遺伝子や生化学試薬、リコンビナントタンパク質等)に402,699円、研究成果発表(国内)に60,000円の支出を予定している。その他の経費として、英文論文校正費に40,000円を予定している。
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