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2011 Fiscal Year Research-status Report

エピジェネティック制御異常による嚥下障害と呼吸不全の発症機序の解明

Research Project

Project/Area Number 23593045
Research InstitutionNihon University

Principal Investigator

白川 哲夫  日本大学, 歯学部, 教授 (00187527)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 浅野 正岳  日本大学, 歯学部, 准教授 (10231896)
三枝 禎  日本大学, 歯学部, 講師 (50277456)
Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords呼吸
Research Abstract

DNAのメチル化されたCpG領域に結合し,下流遺伝子の発現調節に関与しているエピジェネティクス制御タンパクとしてMeCP2がある。MeCP2をコードする遺伝子 Mecp2を欠損したマウスMecp2 (-/y)について,7週齢において一匹ずつ全身型プレチスモグラフのチャンバー内に入れ,呼吸波形を24時間連続で測定・記録した後,1秒以上の無呼吸の発生回数について解析を行った。また野生型(wild)マウスについても同様に解析した。Mecp2(-/y)については24時間を通じて無呼吸が高頻度に認められた。またwild雄についても無呼吸が検出されたがその頻度は低かった。Mecp2(-/y)の無呼吸回数は暗期に比べ明期で有意に多かった。また明暗条件下では無呼吸回数の24時間の変動に有意差がみられたのに対し,恒暗条件下では有意差は認められなかった。wildでは明暗条件下と恒暗条件下のいずれにおいても無呼吸回数に24時間の変動は認められなかった。Mecp2(-/y)を生後3週で離乳したのち,ただちにセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬であるミルナシプランを経口的に慢性投与し(摂取量:約2 mg/day),生後7週で呼吸への影響を検討した。その結果,ミルナシプランは明期の無呼吸回数を有意に減少させるが,暗期の無呼吸回数には影響しないことが明らかになった。 生後8週においてMecp2(-/y)の延髄呼吸関連中枢における小胞膜モノアミントランスポーター2(VMAT2)発現の免疫組織学的検討を行ったところ,迷走神経背側運動核,孤束核および腹側呼吸神経細胞群のいずれの部位についてもMeCP2(-/y)ではwildに比べVMAT2陽性神経終末数の著しい減少がみられた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

研究計画の3)として実施予定であった,MeCP2欠損マウスからの無拘束呼吸測定については,現有の装置である無拘束呼吸機能解析システムを用い,完全無拘束下でMeCP2欠損マウスの呼吸活動を連続測定・解析することができた。その一方で,1)として実施予定であった,MeCP2欠損マウスの顎舌骨筋および横隔膜からの筋電図の測定と解析については,マウスの繁殖が順調に進まなかったため,手術対象となるMeCP2欠損マウスの数を確保出来ず,コントロール実験に留まっている。2)として実施予定の,MeCP2欠損マウスの脳へのmecp2遺伝子導入と呼吸異常の改善については,レンチウイルスベクターによる導入技術がまだ確立しておらず,実施にいたっていない。2011年に他の研究機関から発表された論文では,ミクログリアのみでmecp2を発現させた場合でも症状が大きく改善するとされており,遺伝子導入対象をどうするかの再検討が必要になっている。また4)として実施予定の延髄スライス培養組織からの細胞内活性酸素の定量については,新規に購入したCCDカメラを用いて,現在脳スライス上で発生する活性酸素量の光学的測定に取り組んでいる。

Strategy for Future Research Activity

まず,新規に購入したCCDカメラを活用する実験を推進する。MeCP2欠損マウスの脳を迅速に取り出し,延髄の薄切切片を作製したのち培養ディッシュで器官培養を行う。培養開始翌日に,マニピュレータを装備した蛍光顕微鏡(現有設備)上にディッシュを置き,蛍光試薬としてDCFH-DAを用いて延髄の各部位への入力線維を電気刺激して蛍光画像を取得し,蛍光強度の変化をMeCP2欠損マウスと野生型マウスで比較する。また,上記実験と並行して,慢性電極埋め込み型マウス筋電図測定装置を用いて,MeCP2欠損マウスの顎舌骨筋と横隔膜からの筋電図の同時測定を行う。Pinnacle Technology社製プリアンプからのデジタル信号を同社製解析ソフトウェアでリアルタイム記録すると同時に,アナログ筋電図波形をCED社製micro1401インターフェースを通じてSpike2ソフトウェアで積分波形に変換し,時系列解析を行う(以上はすべて現有の装置を用いる)。生後5週に電極埋め込み手術を行い,呼吸リズムと顎運動の解析を行う。マウスの繁殖にも最大限の努力をする予定である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成23年度に購入した試薬について,価格が減額されたため24年度へ151円の繰り越しが生じた。これについては平成24年度の試薬購入のための費用に充てる。平成24年度の研究費については,試薬類と電極の購入に充てる。

  • Research Products

    (2 results)

All 2012 2011

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] レット症候群にみられる中枢性無呼吸発作の日内変動とモノアミンの関与2012

    • Author(s)
      白川哲夫
    • Organizer
      札幌シンポジウム「時刻と時間の生理学ー光生物学の応用」(招待講演)
    • Place of Presentation
      京王プラザホテル札幌(北海道)
    • Year and Date
      2012年3月10日
  • [Presentation] レット症候群モデルの呼吸異常2011

    • Author(s)
      白川哲夫
    • Organizer
      レット症候群シンポジウム 2011  「レット症候群の基礎・臨床研究から治療へ」(招待講演)
    • Place of Presentation
      大阪産業創造館(大阪府)
    • Year and Date
      2011年12月4日

URL: 

Published: 2013-07-10  

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