2013 Fiscal Year Annual Research Report
エピジェネティック制御異常による嚥下障害と呼吸不全の発症機序の解明
Project/Area Number |
23593045
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
白川 哲夫 日本大学, 歯学部, 教授 (00187527)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 正岳 日本大学, 歯学部, 准教授 (10231896)
三枝 禎 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (50277456)
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Keywords | 呼吸調節 / 無呼吸 / 延髄 / GABA / GAD1 / MeCP2 / CpG / DNAメチル化 |
Research Abstract |
MeCP2欠損マウスについて,抑制性神経伝達物質であるGABAの合成酵素GAD1のプロモーターのメチル化がGAD1遺伝子発現ならびにMeCP2欠損とどのように関連しているのかについて,Mecp2欠損マウスならびに野生型マウスを用い,リアルタイム PCR法ならびにバイサルファイトシークエンス法により検討した。 ①生後2週のMecp2欠損マウスおよび野生型マウスに関して,成長発達に明らかな相違は認められず,体重にも有意な差はなかった。 ②延髄腹側部に位置する呼吸中枢の,生後2週でのGAD1 mRNA量は,野生型マウスに比べMecp2欠損マウスで有意に減少していた。このGAD1発現の低下が呼吸中枢でのGABA合成量を減少させ,GABAを伝達物質とする中枢性の呼吸パターン調節機能が低下したことで,Mecp2欠損マウスにおいて無呼吸発作の頻度を上昇させた可能性が示唆された。 ③GAD1遺伝子のプロモーター上に位置するCpG(23箇所)のメチル化レベルについて,同じ2週齢の野生型雄マウスに比べ, Mecp2欠損マウスでより高まっていることが明らかになった。この結果は,Mecp2欠損マウスにおいて,GAD1遺伝子プロモーター上のCpGの高メチル化によって延髄でのGAD1の転写が抑制されることで,GAD1 mRNA量が減少していることを示しており,MeCP2の欠損がGAD1遺伝子プロモーター上のCpGのメチル化を制御する因子に影響を与えていることが示唆された。
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Research Products
(1 results)