2013 Fiscal Year Annual Research Report
二次口蓋成長発育におけるTGF-βシグナル伝達についての解明
Project/Area Number |
23593046
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
中嶋 昭 日本大学, 歯学部, 助教 (50297842)
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Keywords | TGF-beta / 口蓋裂 / 二次口蓋 / 分子生物学 / 成長・発育 |
Research Abstract |
【目的】従来、研究者はマウス二次口蓋の器官培養にてTGF-β type II receptor (TβRII)およびTGF-β type III receptor (TβRIII)をともに、siRNAを用いてdouble knock downした際、口蓋癒合が抑制されることを明らかにした。しかし、口蓋癒合時にTβRIおよびTβRII(TβRI/II)のdouble knock downやTβRIおよびTβRIII(TβRI/III)のdouble knock downを行った際の二次口蓋癒合に与える影響やsignaling pathwayについては未だ明らかとなっていない。そこで、本研究ではsiRNAを使用し、TβRI/IIあるいはTβRI/IIIのdouble knock downを行った際の二次口蓋について観察するとともに、TGF-β signalingにおけるSmad2のリン酸化、および口蓋の癒合上皮に発現するmatrix metalloproteinase(MMP-13)の発現についても検討した。 【試料および方法】E13のマウス口蓋の器官培養にて、300nMのTβRI/II あるいはTβRI/IIIの siRNA をtransfectionし、72時間まで培養した。口蓋癒合については、顕微鏡下で観察し、Smad2のリン酸化発現については、Western blot法にて定量解析を行った。また、real time RT-PCRにて各receptor、MMP-13の遺伝子発現を解析した。 【結果】口蓋の器官培養では、300nのsiRNA transfection条件下で、target receptorを約85%発現抑制できた。二次口蓋については、TβRI/II double knock down群がTβRI/III およびTβRII/III double knock down群に比べ癒合不全を生じた率が高かった。Smad2のリン酸化発現についても、TβR-I/II double knock down群で阻害されていた。MMP-13の発現については、control群と比較して有意に減少した。 【結論】口蓋癒合には、TβR-I、TβR-IIおよびTβR-IIIのすべてが関わっているが、特にTβR-IおよびTβR-IIのreceptorsが重要であり、TGF-βの下流遺伝子Smad2のリン酸化に強く影響し、MMP-13の発現についても影響を及ぼすことが示唆された。
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Research Products
(1 results)