2013 Fiscal Year Research-status Report
幼児における唾液中フッ化物イオン濃度を用いた効果的なフッ化物製剤応用法の検討
Project/Area Number |
23593047
|
Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
内川 喜盛 日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (00176679)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白瀬 敏臣 日本歯科大学, 生命歯学部, 准教授 (20247018)
岩崎 てるみ 日本歯科大学, 生命歯学部, 助教 (60515609)
吉野 園子 日本歯科大学, 生命歯学部, 助教 (10549083)
|
Keywords | 幼児 / 唾液 / フッ化物濃度 / フローインジェクション分析法 / ミュータンスレンサ球菌 |
Research Abstract |
幼児唾液中のフッ化物濃度に及ぼす因子として唾液中のタンパクおよびカルシウム等のイオンが関係し、低濃度においてはその濃度の低下を引き起こすことを確認してきた。今回は唾液中の細菌レベルの影響を確認するために、対象幼児から得られた唾液試料を用いてミュータンスレンサ球菌、乳酸桿菌およびレンサ球菌群のレベルの測定を行った。その結果を用いて、各菌レベルと齲蝕との関連性について検討したところ、ミュータンスレンサ球菌および乳酸桿菌との関連性は以前の報告と同様に強く有意な相関が得られたが、レンサ球菌レベルとの関連性は認められなかった。このことから、ミュータンスレンサ球菌以外のレンサ球菌においても耐酸性および酸酸性能が強くなるとの報告があるが、幼児においては強い関連性は無いことが示唆された。 現在、幼児の唾液中フッ化物濃度との関連性および唾液中において各菌レベルがどのような影響を与えるかの検討を行っている。合わせて、唾液中フッ化物イオン濃度の簡易測定キッドの作成を行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
幼児の唾液資料の採得およびその幼児唾液中のフッ化物イオン濃度に及ぼす影響を確認するための各要因の測定は計画通り行われているが、フローインジェクション分析装置の不具合により、微量の唾液中フッ化物イオン濃度への測定が不能となっており、そのため現在実験計画に遅れが出ている。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究は、唾液中フッ化物イオン濃度の動態を詳細に検討することを目的として、高精度のフッ化物イオン濃度測定器、フローインジェクション分析装置を用いている。昨年途中から装置の溶液注入部の故障のため測定継続が困難となっている。修理に時間がかかっているが早急に修理を終了し、計測を再開する予定である。その結果をもとに、齲蝕予防に有効で、適正なフッ化物イオン濃度の検討、および幼児唾液中のフッ化物イオン濃度へ及ぼす因子、さらに、幼児の唾液中で適正なフッ化物イオン濃度が維持されるための要因について検討する予定である。また、その適正濃度を踏まえて、唾液中のフッ化物濃度測定簡易キッドの製作を行う予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究は、唾液中フッ化イオン濃度の動態を詳細に検討することを目的として、高精度のフッ素イオン濃度測定器、フローインジェクション分析装置を用いている。昨年途中から装置の溶液注入部の故障のため測定継続が困難となり、その後も修理に時間がかかっている。そのため本研究の中心的データが不十分であり、その後の学会発表および報告書作成予定の未使用額が発生した。 フローインジェクション分析装置の修理および安定した測定のためフッ素電極を購入後、迅速に測定を終了し、その結果を学術雑誌へ投稿する予定である。そのために使用予定である。
|