2012 Fiscal Year Research-status Report
ヒト唾液中ガレクチン-1の口腔内機能解析とその創薬展開
Project/Area Number |
23593051
|
Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
笹栗 健一 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (10235286)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門屋 利彦 前橋工科大学, 工学部, 教授 (40551875)
|
Keywords | Galectin-1 |
Research Abstract |
これまでに我々は、ラットの腹腔内由来マクロファージ細胞を採取し、E-LPSによって細胞を刺激するとともにreconbunant human Galectin-1(rh-Gal-1)を添加することで炎症性ケミカルメディエイターであるIL-1β,IL-6の遺伝子発現が抑制されることから、マクロファージにはGal-1のレセプターが存在する可能性を示唆してきた。前年度、ヒトリンパ腫由来株化細胞U937をフォルボールエステル(PMA)の作用により効率よくマクロファージに分化させる系を確立できたことから、本年度はこの系に対してLPSとrj-GAl-1を添加し炎症メディエイターに関して遺伝子発現状況を検討することとした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
U937細胞に対しPMAを用いて効率よく分化させた株化マクロファージ細胞に対して、P-LPSまたはE-LPSにより細胞を刺激するとともにrh-Gal-1を濃度・・添加順序・添加時間・培養時間などあらゆる条件を設定するとともに、MMP-1・IL-18・IL-1β・TNF-α・MMP-9・COX-2等に関してRT-PCR法を用いて検討を行った結果、ラット腹腔内より採取したプライマリーなマクロファージから得られたような再現性あるGal-1の炎症抑制効果は認められなかった。誘導した細胞の形態的・分子生物学的手法による検討では、マクロファージへの分化に関して問題が認められなかったことから、単一細胞を使用したことに問題がある可能性が示唆された。
|
Strategy for Future Research Activity |
U937細胞にPMAを添加し誘導したマクロファージの実験系では、ラットプライマリーマクロファージから得られた再現性のある実験結果は得られなかったので、実験計画を再構築する必要があると考えられる。そこで、 ①再度ラットプライマリーマクロファージ細胞を使用し、まずはGal-1のみを添加しセカンドメッセンジャーのリン酸化が誘導できるかどうか検討する。 ②臨床的な検討として、健常被験者と各レベルの歯周病疾患を有する患者の唾液中のGal-1の定量を行っていくこととする。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度は、ラット腹腔内プライマリーマクロファージを採取し、まずGal-1の濃度や作用時間を変化させ、レセプターによる影響がセカンドメッセンジャーのリン酸化に影響を二次元電気泳動やリン酸化抗体を用いたウエスタンブロット等を用いて検討し、その結果により炎症性サイトカインの刺激に関する抑制作用に関して検討する。臨床的アプローチとしては、歯周病患者の唾液に関してウエスタンブロットを用いて検討する。 研究費に使用計画としては、①実験動物②遺伝子関連試薬③免疫組織関連試薬④実験消耗品を購入予定である。
|