2012 Fiscal Year Research-status Report
唇顎口蓋裂児に対する骨再生と口腔インプラントに関する基礎的研究
Project/Area Number |
23593054
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
中村 浩志 松本歯科大学, 歯学部, 講師 (00278178)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮沢 裕夫 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 教授 (90147637)
中村 美どり 松本歯科大学, 歯学部, 講師 (90278177)
八上 公利 松本歯科大学, 歯学部, 准教授 (00210211)
宇田川 信之 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (70245801)
中道 裕子 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 講師 (20350829)
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Keywords | 骨再生 / 顎裂 / Ryk欠損マウス / 骨形成 / 骨吸収 / 破骨細胞 / 骨芽細胞 / 再生医療 |
Research Abstract |
顎裂患者は、世界中でも特に中国や日本を始めとするアジアに多く、国内でも毎年約1/500人の割合で出生するが発症の予防に決定的手段がない。「咀嚼」や「嚥下」など様々な口腔機能が低下しており、その治療は成人してからも続き、時間的・物理的・精神的損失は本人ばかりでなく家族を含めた周囲社会にまで影響を及ぼす。現在の顎裂治療は、先天的欠損部に対する対症療法であり、疾患に対する原因療法でないため治療効果が成長に追随せず、幾度となく手術が繰り返される。顎裂における軟組織も含めた欠損の乳幼児期の治療では、口蓋と鼻腔の粘膜を形成するのが一般的である。10代で永久歯列の置換が終了する段階で、骨および歯牙の欠損に対する形成術が行われる。この際の骨欠損に対する補填は、健常な腸骨梁からの骨および骨髄組織の移植に頼られており、術後の侵襲や当該部の麻痺や運動障害などのリスクも高い。Ryk遺伝子欠損マウス(Ryk KOマウス)は、高率に唇顎口蓋裂を発症する(Nat Genet 25:414-8,2000)。そこで、顎裂を発症するRyk KOマウスにおける骨再生部位局所における骨再生に必要な因子を解析し、ドラッグデリバリーシステムによる宿主成長追随型の骨再生療法を開発することを目的として本研究を企画した。本年度の継続的研究により、全身的にRyk遺伝子を欠損するマウスにおいて、破骨細胞数の減少が認められることを検証した。さらに、破骨細胞において特異的にRykを欠損するマウスの作製を継続的に行い、このマウスの形質を検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
顎裂を発症するRyk遺伝子を欠損するマウス(全身的)において破骨細胞数の減少を認め、Rykの発現が細胞培養系において強く認められることを確認した。現在、破骨細胞に特異的にRyk遺伝子を欠損するマウスの作製を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
破骨細胞に特異的にRyk遺伝子を欠損するマウスの作製を成功させ、顎裂モデルとして本研究課題の成功に向けて研究を進行させていきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
破骨細胞に特異的にRyk遺伝子を欠損するマウスの作製を成功させ、顎裂モデルとして本研究課題の成功に向けて研究を進行させていきたい。
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