2013 Fiscal Year Annual Research Report
歯周組織の炎症慢性化に及ぼすダメージ関連分子パターンとリゾリン脂質の相互作用
Project/Area Number |
23593057
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
柳田 学 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (80379081)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 聡 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (40359849)
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Keywords | 歯周病 / ダメージ関連分子パターン |
Research Abstract |
本研究はスフィンゴシンー1-リン酸(S1P)と病原体関連分子パターン(PAMPs)、自己組織由来の内因性因子:ダメージ関連分子パターン(DAMPs: damage-associated molecular patterns)が歯周組織構成細胞に及ぼす影響について検討したものである。平成25年度は、前年度に引き続き、歯肉上皮細胞を壊死、融解させて内因性因子を抽出したnecrotic cell supernatant (NCS)で刺激した。その結果NCS濃度依存的に歯肉上皮細胞より炎症性サイトカインIL-6、IL-8、beta-definsin2が誘導された。NCSによる歯肉上皮細胞からの炎症性サイトカイン産生誘導は、TLR3特異的siRNAを用いてTLR3 mRNAをknockdownした歯肉上皮細胞では有意に抑制された。またToll受容体3(TLR3) によって認識される二本鎖RNAウイルス構造類似体polyI:CやNCSで歯肉上皮細胞が刺激されることにより、歯周病原性細菌Porphyromnas gingivalis のリポポリサッカライドを認識する受容体であるTLR2の発現上昇が認められた。すなわち、感染もしくは外傷、組織障害により細胞壊死に陥り、周囲組織や細胞が自己組織由来内因性因子に暴露され、その刺激によりPAMPsを認識するTLR2が誘導されることが示されたことから、DAMPsの存在によりPAMPsに対しての細胞の感受性が高まり、歯周組織がより炎症状態を惹起しやすい環境に誘導される可能性が考えられた。歯周病病巣局所におけるDAMPsの検出については、検出系の確立には未だ至っておらず今後の課題として残された。
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Research Products
(8 results)