2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23593059
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
荒川 真 広島大学, 大学病院, 助教 (60379881)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 茂樹 広島大学, 医歯薬保健学研究院, 助教 (30549762)
山下 明子 広島大学, 医歯薬保健学研究院, 助教 (70511319)
西村 英紀 九州大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (80208222)
|
Keywords | カテプシンL / 多毛症 / ヒト歯肉線維芽細胞 |
Research Abstract |
近年、薬剤による歯肉増殖症の発症にカテプシン活性の低下が関与することが示唆されている。すなわち、①カルシウム拮抗薬ニフェジピンや抗てんかん薬フェニトインは、ヒト歯肉線維芽細胞のカテプシンL活性を低下させること、および②カテプシンL欠損マウスでは歯肉の肥厚病変が観察されるとともに、その組織像がヒト歯肉増殖症のそれと酷似していることより、カテプシンLの活性低下と歯肉増殖症発症に関連性があることが示唆されている。また、先天性歯肉増殖症で著明な多毛症を合併する症例が複数報告されている。そこで、多毛症を合併した先天性歯肉増殖症患者由来歯肉線維芽細胞と健常者由来の歯肉線維芽細胞のカテプシン活性を比較検討した。【材料および方法】供試細胞とカテプシン活性の測定:健常者及び多毛症合併歯肉増殖症患者の歯肉線維芽細胞を使用した。各培養細胞の破砕抽出物にカテプシンB及びカテプシンLの基質であるZ‐Phe‐Arg‐MCAを加え、37℃で10分インキュベート後、マイクロプレートリーダーによる蛍光強度測定にてカテプシンB+L活性を評価した。同様にカテプシンBの基質Z‐Arg‐Arg‐MCAを用い蛍光分析にてカテプシンB活性を評価した。カテプシンL活性は前2者の差から算出した。【結果および考察】歯肉増殖症患者の歯肉線維芽細胞でカテプシンL活性が低下していた。一方、カテプシンB活性は上昇していたことから、何らかのcompensation機構が働いている可能性が考えられた。また、カテプシンL欠損マウスでhair follicleのturn overに異常が見られたことより、カテプシン活性の低下が多毛症の成因にも関与する可能性が考えられた。
|