2012 Fiscal Year Research-status Report
歯周病罹患による妊婦の早期低体重児出産と抗リン脂質抗体症候群の発症機構の解明
Project/Area Number |
23593068
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
森 真理 北海道医療大学, 歯学部, 講師 (30275490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長澤 敏行 北海道医療大学, 歯学部, 准教授 (90262203)
古市 保志 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (80305143)
家子 正裕 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (50250436)
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Keywords | 歯周病 / 早産 / 抗リン脂質抗体症候群 |
Research Abstract |
抗リン脂質抗体症候群はbe-ta2glycoproteinIに対する自己抗体によって血栓の形成が促進される疾患であり、習慣性の早産や血栓の形成が多く認められる。一方、歯周疾患はグラム陰性桿菌であるいくつかの歯周病原菌を原因とする慢性炎症性疾患であり、軽度の歯肉炎から進展した歯周炎は、歯肉結合組織の破壊や歯槽骨吸収を引き起こす。 歯周病は成人が歯を喪失する主因であるとともに、心臓血管系疾患、糖尿病、早期低体重児出産などのリスクを上昇させることが知られている。これらの全身疾患のリスクを高める要因として歯周炎患者で血栓の形成が促進されている可能性があることから、抗リン脂質抗体症候群と歯周病との関係が注目されている。そこで、我々は切迫早産妊婦の歯周組織検査と、血清中の炎症性サイトカイン、抗リン脂質抗体、細菌に対する抗体、ならびにbe-ta2glycoproteinIと相同性を有するペプチドに対するペプチドに対する抗体価を測定し、感染を伴う全身の免疫応答について検討を加えることとした。 平成24年度は、正常分娩の妊婦、切迫早産妊婦、並びに早期低体重児出産の妊婦を対象として、歯周組織状態の検査と、その血清および口腔内細菌のサンプリングを行い、歯周病原菌の感染に伴う抗リン脂質抗体価の関係と、歯周治療を実施した前後でのその変化について検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
サンプルの収集に手間取ったが、実験の成果はおおむね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度に引き続き、正常分娩妊婦、早産妊婦、切迫早産妊婦の歯周組織状態の検査と口腔内細菌、血清のサンプリングを行い、歯周組織状態と歯周治療の前後での細菌の有無と、血清中サイトカイン量、抗リン脂質抗体価の違いについて検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ペプチド合成、各種ELISAキットの購入に充てる予定である。
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