2011 Fiscal Year Research-status Report
骨髄幹細胞を用いた組織修復およびリモデリングの促進とその分子調節機構の解明
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23593075
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
中野 敬介 松本歯科大学, 歯学部, 准教授 (10325095)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川上 敏行 松本歯科大学, 付置研究所, 教授 (80104892)
辻極 秀次 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (70335628)
富田 美穂子 松本歯科大学, 歯学部, 准教授 (00366329)
村岡 理奈 松本歯科大学, 歯学部, 助教 (20549430)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 骨髄細胞 / 細胞分化 / 組織修復 / 歯周組織 / メカニカルストレス / 歯科矯正治療 |
Research Abstract |
現在までに、歯科矯正学的牽引モデル動物および歯周組織損傷モデル動物の作製を行い、歯周組織を構成する細胞ならびに骨髄幹細胞の生体内における動態と分化に関する研究を行ってきた。歯科矯正学的牽引時における歯周組織の変化では、メカニカルストレス付与後の牽引則において歯根膜線維芽細胞および骨芽細胞にRunx2、Msx2、ALPの局在と陽性反応増強を確認し、歯周組織への力学的刺激が骨芽細胞の分化促進に働くことを明らかにした。また、歯周組織損傷モデル動物では、歯周組織の恒常性維持や組織修復、細胞分化にHSPsが密接に関与していることを示した。骨髄幹細胞の歯牙および歯周組織細胞への分化能に関する研究では、骨髄幹細胞が骨芽細胞、破骨細胞、歯根膜線維芽細胞、および歯髄細胞に分化することを確認し、これらの前駆細胞となる骨髄幹細胞は、歯周組織では主にリモデリングの盛んな部位に生着することを示した。この事は骨髄幹細胞を用いた歯周組織再生への可能性を示している。また、歯科矯正学的牽引モデル動物を用いた実験において、矯正学的牽引時の歯根膜組織では、骨芽細胞や破骨細胞に積極的に分化誘導され、当該領域の骨髄幹細胞の機能解明を行ったところ,メカニカルストレスを受け積極的に歯周組織のリモデリングが行われている部位に骨髄幹細胞由来の細胞が多数存在していることが確認された。この結果により人為的に幹細胞を所定の場所に供給できる可能性が強く示唆された。適切な強度のメカニカルストレスもしくは傷害性刺激を歯周組織に加えることにより、効率的な幹細胞の局所への誘導、歯周組織リモデリングや修復の促進、および効率的な矯正学的歯の移動が可能になると考えられる。今回得られた結果は歯周組織の修復、再生を効果的に行う治療法や新規矯正学的治療法の開発につながると考えている。申請者らはさらに効果的な幹細胞誘導法を検索中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
GFPトランスジェニックマウス由来骨髄移植マウスの作製、歯周組織損傷モデルおよび歯科矯正学的牽引モデルマウス(歯科矯正実験モデルマウス)の作製ともに成功し、これらの実験動物を用いて順調に実験を行っている。平成23年度は、歯周組織のリモデリングと外傷性ストレス時の組織修復や再生に関わる因子の検討と矯正学的治療によって生じる歯周組織の変化と骨髄由来幹細胞の動態の詳細な検討を行った。これらの研究成果は学術雑誌と国内外の学会発表で出版公表しており、実施計画の点からも公費研究としての観点からも順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画どおり、組織修復、リモデリング、再生における骨髄幹細胞に動態をさらに詳細に分析する。特に骨髄幹細胞の局所誘導と分化誘導に関する知見を得るため、組織学的な観点から詳細な検討を加えていく。これにより効果的な歯周組織再生治療法や新規矯正治療法の開発に必要な知見を得る。また、これらの技術の発展応用となる外傷による組織傷害の修復に関する新規治療法の可能性についても検討したい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
消耗品の購入価格が定価より安価であった事が次年度の研究費が生じた主たる理由である。他の理由としては研究の進行状況が良好であり追実験、再実験の費用が当初見込んだ額に達しなかった事が上げられる。当該研究費は本年度の試薬購入に充てる予定である。
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Research Products
(9 results)