2012 Fiscal Year Research-status Report
機能的近赤外線スペクトロスコピーと筋電図を用いた摂食嚥下時の脳機能解析法の確立
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23593080
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
井上 農夫男 北海道大学, -, 名誉教授 (20091415)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柏崎 晴彦 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (10344516)
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Keywords | 歯学 / 老化 / リハビリテーション |
Research Abstract |
嚥下運動は,ヒトが経口摂取する限り必須の運動である.嚥下に関与する大脳機能については,一定の知見が得られていない.近年,新たな脳機能評価として機能的近赤外線スペクトロスコピー装置(functional near-infrared spectroscopy:fNIRS)が注目されているが,咀嚼筋の血流変化も拾ってしまうという欠点がある.そこで本研究では,健常者・健常高齢者・嚥下障害患者を対象とし,咀嚼嚥下関連動作時のfNIRSによる脳血流測定に加え,咀嚼筋を筋電図でモニタリングすることでNIRS信号と対比し,高齢者や嚥下障害患者における正確な摂食・嚥下運動時の脳機能解析法を確立することを目的とする.初年度は健常者を対象とし,基礎データ収集および脳機能解析法の確立を主たる目標とする.咀嚼嚥下関連動作時のfNIRSによる脳血流測定に加え,咀嚼筋を筋電図でモニタリングすることでNIRS信号と対比し,咀嚼運動アーチファクトの補正を考慮した脳機能解析方法を確立する.健常ボランティア(本学学生および職員)10人を対象とした.被験者はfNIRSの頭頂様ファイバホルダを装着し,背もたれ付きの椅子に座位をとった.対象となる被験者の頭部に帽子状のファイバーホールドシステムを装着した.側頭部,咬筋部,およびオトガイ部に筋電図電極またを装着し,パソコン上で嚥下運動,咀嚼筋筋電図のモニタリングを行った.数種類の摂食・嚥下関連動作(咀嚼運動,随意嚥下運動,反射嚥下運動)をさせ,脳血流測定を行った.咀嚼運動では側頭筋および咬筋の血流をとらえてしまうため,評価が困難であった.これにより,この影響を取り除くのが課題であることがわかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
倫理委員会の承認が遅れたため,研究の開始が少し遅れた.
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Strategy for Future Research Activity |
咀嚼運動では側頭筋の血流をとらえてしまうため,この影響を取り除くのが課題である.したがって,健常者を対象に咬合床(シーネ)装着,咀嚼筋活動を必要としない流動食などを用いて口腔機能を人為的に変化させた条件でfNIRSおよび筋電図測定を行い,咀嚼運動アーチファクトの補正を考慮した脳機能解析方法を確立する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
倫理委員会の承認が遅れたため,実験計画の遂行に遅れが生じ,未使用額が発生した.この未使用額については,次年度に下記の実験計画遂行のために使用する予定である. 健常者を対象において咀嚼運動アーチファクトの補正するための種々の至適条件を決めるために,主として消耗品(膨大な内視鏡および筋電図データ解析)や謝金に使用する.また情報収集や学会発表等のために旅費を必要とする.
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Research Products
(2 results)