2011 Fiscal Year Research-status Report
新規生体材料チタン酸Caを用いた抗菌作用付与歯質コーティング法の開発
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23593088
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
岸本 悦央 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (20091316)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉村 亮 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (00403494)
高木 慎 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (40116471)
長塚 仁 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (70237535)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 生体材料 / チタン酸 / 抗菌 / 齲蝕 / 歯周病 |
Research Abstract |
齲蝕および歯周病両疾患予防の原理は耐酸性物質のコーティング、石灰化能及び殺菌性の付与である。本研究では、新規コーティング材CaTiO3-Cナノ粒子を用いた歯質コーティングによる、新たな齲蝕・歯周病予防法の開発を行う。本年度は、改良アルコキシド法により作製したCaTiO3-Cナノ粒子を用い、抗菌性の付与を行い、齲蝕、歯周病原因菌に対する抗菌性について検討した。 改良アルコキシド法によりCaTiO3-Cを作製、ジェットミルによりナノ粒子としテトラサイクリン(TC)及び塩化セチルピリジニウム(CPC)との混合液を作製した。齲蝕原因菌であるS. mutans、S. sobrinusおよび歯周病原因菌であるP. gingivalis、T. forsythensis、T. denticola、P. intermediaを用い、抗菌試験を行った。 BHI培地に各種培養菌を 10000 個接種し、抗菌剤CaTiO3-Cナノ粒子混合液を添加した (終濃度200μg/mL)。37 °Cで9 時間培養後、濁度 (600nm)を測定し,コントロールと比較して増殖率を求めた。結果、TC、CPCともに齲蝕原因菌および歯周病原因菌に対して抗菌活性を示すことが明らかとなった。 以上のことから、新規コーティング材CaTiO3-Cナノ粒子は齲蝕・歯周病原因菌への抗菌活性を示す抗菌性の付与が可能であり、齲蝕および歯周病予防法への応用が期待できる新規生体材料であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画に記載した通りにほぼ進行しており、また良好な結果も得られたことから、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き抗菌試験を行うが、テトラサイクリン、塩化セチルピリジニウムの混合比の検討を追加する。 ナノ粒子を歯質コーティングする為に高機能モノマー含有のボンディング材を利用するが、ナノ粒子とボンディング材の混合比について検討していく。各割合でのナノ粒子とボンディング材の混合コーティング液を作製、抜去歯エナメル質表面に塗布後、耐酸性試験を行い評価する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
設備・備品の申請はない。消耗品に関しては抗菌試験関連試薬、各種ボンディング材、耐酸性試験関連試薬等が必要である。旅費に関しては、硬組織再生生物学会(岡山-愛知)、歯科基礎医学会(岡山-福島)に研究成果発表、情報収集を目的として参加する。「次年度使用額」が生じた状況及び翌年度以降に請求する研究費と合わせた使用計画について 研究データの解析等にデスクトップコンピューターを購入予定であったが、既存のコンピューターでの対応が可能であったため、購入を見合わせた。繰り越した次年度使用額に関しては、抗菌試験の追加試験に使用する消耗品に充当する予定である。
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