2013 Fiscal Year Annual Research Report
歯科衛生士の離職をもたらす因子の解析と,離職防止の方略の策定
Project/Area Number |
23593090
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
竹本 俊伸 広島大学, 医歯薬保健学研究院(歯), 教授 (00236506)
|
Keywords | 歯科衛生士 / 離職要因 / 開業歯科医院 / 組織コミットメント / リアリティショック / 職場ストレス |
Research Abstract |
歯科衛生士の離職を防止する目的で,開業歯科医院に勤務する歯科衛生士にターゲットを絞り,その離職要因の解析を行った。 全国の開業医勤務の歯科衛生士を対象とした中規模調査では,勤務する歯科医院に対する帰属意識(コミットメント)を中心とした質問紙調査を実施した。559名の歯科衛生士から回答があり,解析の結果,組織コミットメント(帰属意識)と離職指向との間には,関連性があることが判明した。また,産前産後休暇や育児休暇などの女性が主体になっている特別休暇制度は,構成員が極端に少ない個人開業医では,休暇を取ることで同僚歯科衛生士への負担が大きく増えることなどから,うまく機能せず,その結果として,出産や育児による離職が多くなっていることが判明した。 新卒者が初めて就業する時に,学校で学習したことと職場での実際とのギャップについて衝撃を受けることをリアリティショックという。開業医勤務の歯科衛生士に対して,リアリティショックと離職との関係についての小規模調査を行ったところ,55名の歯科衛生士から回答があり,リアリティショックとしては,主に自分の能力不足が多かったが,それは自己努力で解決ができることから,離職指向にはつながっていなかった。その一方で,院長などとの人間関係や就労条件など,自分の力では解決が難しい要因が離職指向につながっていた。また,受動的な職業選択動機を有する者は,離職指向が大きかった。 歯科衛生士の職場ストレスと就業状況について,前年度に引き続き追加調査を行った。86名の開業医勤務の歯科衛生士からの回答が得られ,分析の結果,職業選択動機が弱いものは,職場ストレスが強く,また,特に有給休暇が自由に取れない者ほど,ストレスが強いという結果であった。 今年度の研究の結果,開業医勤務の歯科衛生士は,休暇取得を中心とした就業環境や院長との人間関係が大きな離職要因として挙った。
|
Research Products
(2 results)