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2011 Fiscal Year Research-status Report

ミュータンスレンサ球菌による新規動脈硬化発症機序の解明-菌の細胞内侵入と認識応答

Research Project

Project/Area Number 23593094
Research InstitutionKagoshima University

Principal Investigator

長田 恵美  鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (00304816)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 於保 孝彦  鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (50160940)
Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywordsミュータンスレンサ球菌 / 内皮細胞 / TLR2 / NOD2
Research Abstract

我々は動脈硬化の新たなリスクファクターとして口腔レンサ球菌に着目し検索を行い、ミュータンスレンサ球菌が侵入した内皮細胞において高いサイトカイン産生誘導能を持つことを明らかにしている。今年度はミュータンスレンサ球菌(Streptococcus mutans Xc)が侵入したヒト動脈内皮細胞においてパターン認識受容体の発現誘導を検討した。S. mutans Xcとヒト動脈内皮細胞をMOI=1で24時間共培養し、抗生剤 (ゲンタマイシンおよびペニシリンG) 処理によって細胞表面に付着した菌を死滅させた後、菌が侵入した細胞を2、8、24時間培養した。内皮細胞からtotal RNAを抽出し、TLR1、TLR2、TLR4、NOD1、NOD2 mRNAの発現をリアルタイムPCR法で解析した。それぞれの結果は非刺激内皮細胞 (対照) と比較し、統計分析にはStudentのt 検定を用いた。Streptococcus mutans Xcが侵入したヒト動脈内皮細胞は、2、8、24時間後すべての時点において、対照の非刺激内皮細胞と比較して有意に多くのTLR2およびNOD2 mRNAを発現していた(P < 0.05)。24時間後には、非刺激内皮細胞と較べて、発現量がそれぞれ254.0倍および222.8倍に達していた。ミュータンスレンサ球菌の侵入刺激によって発現が誘導されたTLR2およびNOD2 は、ヒト動脈内皮細胞のパターン認識受容体として侵入した菌に対する免疫応答に関与している可能性が示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の計画に従い、ミュータンスレンサ球菌の刺激によるヒト動脈内皮細胞におけるTLRおよびNODの発現の検索が進行しているので、おおむね順調に進展していると自己評価した。

Strategy for Future Research Activity

次年度はヒト動脈内皮細胞におけるTLR1、TLR2、TLR4、NOD1およびNOD2タンパク発現の定量を行う。内皮細胞を培養後、回収、固定して、チューブ内で抗TLR1、TLR2、TLR4、NOD1あるいはNOD2抗体を用いて、免疫染色を行う。フローサイトメトリー法にて各々のタンパク発現を検索し、非感染HAECを対照として比較する。フローサイトメトリー法での検出が困難であった場合は、ガラス底のシャーレで培養し、免疫染色後、共焦点レーザー顕微鏡観察で染色された受容体を数えて定量する。次に菌の付着や侵入を認識するパターン認識受容体発現の抑制をRNA干渉により試みる。付着あるいは侵入した菌を認識することが明らかになったパターン認識受容体遺伝子の発現を抑制するために、内皮細胞にsiRNAを遺伝子導入する。 nonsilencing siRNAを遺伝子導入したHAECを対照とする。標的としたパターン認識受容体遺伝子の発現抑制は、リアルタイムPCR法でパターン認識受容体mRNAの発現が対照と比較して減少していることで確認する。また新たなstrain のミュータンスレンサ球菌を用いたヒト動脈内皮細胞におけるTLRおよびNODの発現検索も平行して行う。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

今年度はリアルタイムPCRの実験が順調に進行したため、予定よりもリアルタイムPCR試薬およびタックマンプローブの購入量を少なくすることができた。したがって、次年度に使用する予定の研究費は、さらに新たなstrain のミュータンスレンサ球菌を用いたヒト動脈内皮細胞におけるTLRおよびNODの発現検索のためのリアルタイムPCR関連費用として用いる。次年度の研究費は、ヒト動脈内皮細胞および培地、抗体、siRNAおよびsiRNA導入キット、プラスチック器具、試薬、成果発表旅費に用いる。

  • Research Products

    (3 results)

All 2011

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Invasion of human aortic endothelial cells by oral viridans group streptococci and induction of inflammatory cytokine production.2011

    • Author(s)
      Nagata E., de Toledo A., Oho T.
    • Journal Title

      Mol. Oral Microbiol.

      Volume: 26 Pages: 78-88

    • DOI

      10.111/j.2041-1014.2010.00597.x

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Streptococcus anginosus L-cysteine desulfhydrase gene expression is associated with abscess formation in BALB/c mice.2011

    • Author(s)
      Takahashi Y., Yoshida A., Nagata E., Hoshino T., Oho T., Awano S., Takehara T., Ansai T.
    • Journal Title

      Mol. Oral Microbiol.

      Volume: 26 Pages: 221-227

    • DOI

      10.111/j.2041-1014.2010.00599.x

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] ミュータンスレンサ球菌が侵入したヒト動脈内皮細胞におけるパターン認識受容体の発現誘導2011

    • Author(s)
      長田恵美、Andreia de Toledo、於保孝彦
    • Organizer
      第60回日本口腔衛生学会・総会
    • Place of Presentation
      松戸市
    • Year and Date
      2011年10月10日

URL: 

Published: 2013-07-10  

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