2013 Fiscal Year Research-status Report
歯科医師および歯科医療施設の地域分布とその影響要因に関する地域構造的分析
Project/Area Number |
23593095
|
Research Institution | Chiba Prefectural University of Health Sciences |
Principal Investigator |
大川 由一 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 教授 (20211097)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 創一郎 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (90433929)
|
Keywords | 臨床研修制度 / 歯科医師 / 進路希望 / 就業地域 / 地理的分布 / 地域偏在 |
Research Abstract |
これまで歯科医師臨床研修制度が診療従事歯科医師の地理的分布に及ぼす影響について評価してきたが、今回は臨床研修歯科医師を対象に将来の希望診療科目や就業地域の選択条件等について把握することを目的として調査を実施した。臨床研修歯科医師739名を対象として2012年3月、2013年3月に自己記入式質問紙調査法により調査を行い、回収された713名(回収率96.5%)について分析を行った。調査項目は、卒後臨床研修終了後の希望進路、重要と考える歯科専門科目、進路決定する際の選択基準、勤務または開業するにあたって希望する地域とその理由、歯科医師過疎地域対策などである。研修歯科医師の性別は男性418名(58.6%)、女性418名(41.4%)で、両親のいずれかが歯科医師である者は55.7%であった。卒後臨床研修終了後の希望進路については、過半数を示した項目は、「歯科診療所勤務」77.8%、「認定医・専門医の取得」59.5%、「将来開業」56.8%で、進路上で重要と考える専門科目は、「補綴科」「歯周病科」「保存科」であった。進路決定する際の優先される基準は、「やりがい」72.2%が最も多く、次いで「収入が多い」39.0%であった。勤務・開業の希望地域の人口規模は、「中都市(10~30万人)」67.3%が第1位で、「町村(人口3万人未満)」は最下位で20.1%であった。将来の希望就業地域の選択理由の第1位は「自分の出身地またはその近隣」49.9%で、次いで「生活の利便性」39.3%であった。研修歯科医師が重要視する専門科目は歯科診療の中心となる臨床系科目であった。希望就業地域としては中規模都市を選択する割合が高い結果となった。その理由として、医学部学生と研修医師を対象とした調査と同様に「出身地」の影響が大きいと推察された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成25年度に臨床研修歯科医師を対象に、臨床研修終了後の希望進路,重要と考える歯科専門科目、進路決定する際の選択基準,勤務または開業するにあたって希望する地域とその理由、歯科医師過疎地域対策について検討してきた。その中で、勤務・開業希望地域の選択では「出身地」の影響が大きいことが推察された。しかしながら、勤務・開業希望地域と今回の自己記入式質問紙調査で得られた研修歯科医師の出身自治体(市区町村)との関係を人口規模を主体として詳細に解析するという目的を達成するという点において研究が遅れている状況である。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまで歯科医師や歯科医療施設の地理的分布の推移とその地域偏在の要因について臨床研修歯科医師を対象として調査してきた。本研究をはじめ、これまでの多くの調査研究では地域の単位は行政区画である市区町村であり、歯科医療圏の具体的な状況は十分把握できていない。したがって、今後は歯科医療過疎地域をはじめとする歯科医療圏の現状把握と適正な歯科医療提供体制の構築に向けて地理情報システム(GIS)の活用を視野に検討したいと考えている。具体的にはGISの活用により訪問歯科診療を含めた歯科医療サービスエリアの分析や医療連携分析などを評価することである。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度に臨床研修歯科医師を対象に、臨床研修終了後の希望進路、重要と考える歯科専門科目、進路決定する際の選択基準、勤務または開業するにあたって希望する地域とその理由、歯科医師過疎地域対策について集計、解析を実施してきた検討してきた。しかしながら、勤務・開業希望地域と今回の自己記入式質問紙調査で得られた研修歯科医師の出身自治体(市区町村)との関係を人口規模を主体として詳細に解析を行うこととしたため未使用額が発生した。 このため研修歯科医師の出身自治体(市区町村)との関係を含めた解析とその結果についての発表および論文作成を行うこととし、未使用額をその経費に充てる予定である。
|
Research Products
(3 results)