2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23593101
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
福本 雅彦 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (50175569)
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Keywords | 口腔がん検診 / 液状化細胞診 / 免疫染色 |
Research Abstract |
本研究は口腔がん検診に擦過細胞診と免疫染色を組合せ検診者実施者格差の少ない検診方法を模索・確立することを目的とした。 本研究においては当初、従来の直接塗抹細胞診による検診を目指した。しかしながら、免疫染色時のスライドガラスからの細胞脱落率が高く検鏡時の判断が困難なことから細胞脱落率が低くなる方法を模索した。その結果、液状化細胞診においては免疫染色時においても細胞脱落率が低下するとともに検体の均一化が図れる結果を得た。液状化細胞診(Liquid Based Cytology, LBC)は子宮頸部検診の精度管理を目的とした標本作成の標準化を実現する手法として近年急速に普及してきた。LBCはサイトブラシに遺残する細胞や浸漬固定時に剥離する細胞の軽減化,さらに検体の均一化による不適切標本の減少などの利点から,口腔粘膜細胞診の精度管理に非常に有用であると考えられた。 また、免疫染色のP53、Ki67染色においては扁平上皮癌の細胞に陽性所見を認めた。 以上のことを鑑みると口腔がん検診へのLBC法による免疫細胞染色は検体のリスクをより明瞭に可視化し、検鏡者間の評価のばらつきを是正することが可能となり得ると考えられ口腔がん検診が広く普及する一助となり、ひいては口腔がんの早期発見に繋がるものと考えられた。
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