2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23593105
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
青木 伸一郎 日本大学, 歯学部, 講師 (60312047)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 孝訓 日本大学, 歯学部, 教授 (50176343)
梶本 真澄 日本大学, 歯学部, その他 (10445736)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | リハビリテーション |
Research Abstract |
ヒトの認知機能を時系列的に測定できる事象関連電位(ERP)を用いて、補綴治療が単に咀嚼機能の改善だけではなく、脳認知機能に与える影響、ひいてはQOLに与える影響について検討することを目的として、義歯装着治療前後の脳活動を客観的に測定し検討を行っている。 平成23年度は、「義歯治療前後の機能回復程度における評価指標の検討」として、義歯治療予定を含む被験者に対して義歯装着直後および安定後1ヶ月に測定を行った。被験者は、日本大学松戸歯学部付属病院に来院している患者とし、医療面接により脳疾患および精神疾患の既往が無いこと、また実験に支障がない程度の視力を有しているものとした。口腔状態は、事前にカリエスなどの治療を行い、義歯作成前には特に疼痛などは認めていないことを確認した。また義歯の不具合による変化を防止するため義歯装着前後に歯科QOL検査であるGOHAIを測定し、治療前後で支障を感じていないことや精神的なストレス指標である唾液アミラーゼ活性値を用いて義歯装着直後に比べ安定後1ヶ月のほうが軽減していることを確認し対象とした。脳波測定は視覚刺激による事象関連電位を測定した。測定の結果、脳の情報処理容量を反映するP300振幅が安定後1ヶ月のほうが上昇傾向であることから情報処理能力や認知機能の向上が認められた。 しかし、被験者数の不足のため義歯形態による違いによる認知機能の違いについて検討不足であったことから、引き続き、被験者を選定し測定を行い、検討を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「義歯治療前後の機能回復程度における評価指標の検討」について、現在のところ、システムの構築を行い、被験者に対して順次測定を行い、検討を行っている。若干、被験者数がやや少なく、比較検討を行うことができない箇所があるが、今後被験者数を増やし検討を行っていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策としては、現在行っている「義歯治療前後の機能回復程度における評価指標の検討」に続き、リハビリテーション期間における変化について検討を行う、「リハビリテーション過程の回復程度における評価指標の検討」を行う予定である。また、「義歯治療前後の機能回復程度における評価指標の検討」についても継続的に被験者が確保し、研究を行って行く予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度も前年度に引き続き脳波測定やQOL測定などを行っていくため、脳波測定に必要な生体皿電極、脳波記録用紙や生理的検査に必要な心理検査用紙、咬合力測定フィルムなどを購入を予定している。また測定結果を記録する記録用ハードディスクなど必要な消耗品を購入していく予定である。
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