2011 Fiscal Year Research-status Report
食育支援のための「食と咀しゃく」をテーマにした学校保健教育効果の評価に関する研究
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23593107
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
福田 雅臣 日本歯科大学, 生命歯学部, 准教授 (10189954)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 食育支援 / 食と咀しゃく / 保健教育 / 活動評価 |
Research Abstract |
本年度は,まず「噛むこと」をテーマにした保健教育教材プログラムの作成を行った。さらに,本プログラムに基づき,小学校高学年を対象に保健学習を開始した。実施実績は9校であった。 作成プログラム内容は小学校高学年が理解できる内容で構成し,「健全な口腔機能育成のための指針」(日本学校歯科医会発刊)で実践例として示されている内容のうち,「よく噛むこと」と「よい生活習慣形成を」に対応する内容で作成した。本プログラムの概要は,「健康つくり」を柱として,「よく噛むためにはどのようのしたらよいのか」を問いかけ,噛むことの重要性を「噛む効果の体験学習」を通して学ばせるもとした。また「よく噛むためにはどのようのしたらよいのか」から生活習慣を振り返らせることにより,「良好な生活習慣の形成」特に「早寝」「早起き」「朝ごはん」の習慣形成の獲得を支援する内容とした。また,本プログラムの特色を出すため,「噛む効果の体験学習」の教材として噛むことによって色調が緑から赤へ変化する"咀嚼能力判定ガム"と赤と青のガムを同時に噛んでもらい,その混ざり具合を評価する"混合力評価ガム"を使用した。 評価方法については,「歯・口の健康と食べる機能II」(日本学校保健会発刊)に示されているセルフチェックカードを応用した。このセルフチェックカードを保健教育実施直前(事前調査)と,実施1か月後(事後調査)に自記式にて行った。また,保健教育実施直後には本プログラムの印象と理解度についてのアンケート調査(質問紙1)と,1か月後には本プログラム内容の記憶状況と提示した目標の実践状況に関するアンケート調査(質問紙2)を行なった。これらアンケート調査用紙は現在回収中であり,返却のあった対象校から順次データのチェックを行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定通り,保健教育教材プログラムの作成については問題なく行うことができた。また初年度の実施校は5~10校を予定していたが,平成23年度保健指導実績校が9校ということで,ほぼ,目標を達成できた。しかしながら,東日本大震災の影響で,対象校の決定,受け入れ態勢の整備の遅れなどがあり,保健指導実施時期が平成23年後半および年明けにずれ込んでしまった。そのため,平成23年中に保健指導および事後調査の両方を実施することができず,調査用紙の回収が本年3月までかかり,それにともない,データ入力にも大幅な遅れが生じてしまい,年度年にデータ集計まで行うことができなかった。現在,入力開始準備をしており,この遅れは十分に取り戻せる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目(平成24年度)に関しては,初年度と同様に,学校での保健指導と調査を実施していく。実施校は昨年度実績と同程度(約10校)を予定している。評価に関しても,昨年度同様,「歯・口の健康と食べる機能II」(日本学校保健会発刊)に示されているセルフチェックカードを応用した評価と,保健教育実施直後には本プログラムの印象と理解度についてのアンケート調査(質問紙1)および1か月後の本プログラム内容の記憶状況と提示した目標の実践状況に関するアンケート調査(質問紙2)を行う予定である。また昨年度作成・使用した保健指導用媒体の不備な個所の修正および,教育媒体開示をめざし,適切かつ,より理解しやすい表示法や画像の改善,質問項目の不備な点についての修正を加えていくことなどを行っていく。さらに,初年度のデータに関して,入力および解析を行ってく。同時に今年度収集したデータに関しても逐次入力・解析を行っていく。データ分析に関しては,セルフチェックカードの事前調査と事後調査での行動変容についての解析を行い,また質問紙1と質問紙2の関連性についての解析も行なう。さらに,事前・事後での行動変容と質問紙1・2との関連性については各項目を目的に変数とした多変量解析を実施して行く予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費としては,アンケート集計および多変量解析を行うための統計解析用ソフトウエアの購入を予定している。また,23年度は調査実施時期が遅れ,教育媒体の修正・改訂まで研究が進展しなかったため,23年度中に購入できなかった媒体作成用のソフトウエアの購入に関しては23年度予算繰り越し分を充当することを予定している。また,保健指導の効果判定,特に噛むことに関して変化を客観的に評価する必要性が生じた場合,咬合状態の測定・評価を行える機材の購入も予定している。旅費としては調査施設への交通費,成果発表および情報収集のための学会参加の交通費を予定している。人件費・謝金については,データ入力依頼のための費用が中心になる予定である。特に,23年度データを同年度中に入力完了の予定であったが,調査開始とアンケートの回収が遅れ,同年度中に開始,完了ができなった。そのため,24年度に2年分のデータを入力することになり,その分については23年度の繰り越し分を充当することになる。その他の支出予定については,記録用媒体の購入,調査用紙印刷費などに使用する。
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