2015 Fiscal Year Annual Research Report
摂食嚥下機能維持を目的とした精神神経疾患に対する薬物動態/薬力学的検討
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23593108
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
菊谷 武 日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (20214744)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 宜明 日本大学, 薬学部, 教授 (10199896)
小野 真一 日本大学, 薬学部, 教授 (20246862)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2016-03-31
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Keywords | 嚥下機能 / 嚥下造影検査 / 薬物動態 / パーキンソン病 / 嚥下運動パターン / 誤嚥 |
Outline of Annual Research Achievements |
東京都内に立地するの急性・亜急性期病院において脳神経外科と連携をとり、パーキンソン病患者5名の嚥下造影検査結果を解析し、治療薬プラミペキソールについて,血中濃度推移のシミュレーションを行った。 2次元動画解析ソフトを利用してPD患者のVFにおける嚥下運動を空間的に解析した。VFにより得られた動画はImage JによりAVIファイルへと変換し,Move-tr / 2D ® により舌骨を追跡した。舌骨の追跡により嚥下運動時の舌骨最大挙上量を測定した。PD患者においてバリウムの容量と舌骨最大挙上量の関連は示せなかったが,健康成人の舌骨最大挙上量の平均値と比較し,統計学的に有意な差が得られたことから舌骨最大挙上量は摂食・嚥下障害者の嚥下機能の評価を行う手段のひとつと考えられた。連続投与による定常状態時のプラミペキソール速放錠の血中濃度シミュレーションの結果から,連続データとして抽出した直近の服薬からVF検査までの時間に基づき,対象患者のVF検査時におけるプラミペキソールの血中濃度を予測した。また,プラミペキソールの予測血中濃度と舌骨最大挙上量との関係について散布図を作成し,相関性の有無を検討した。舌骨最大挙上量を嚥下機能の指標とし,PD患者のもつ様々な背景からその変動要因を探索した結果,体重において有意に負の相関性が示された。また,プラミペキソールの血中濃度推移をシミュレーションすることで,VF検査時の薬物血中濃度を予測した 予測したプラミペキソールの血中濃度と舌骨最大挙上量との相関性を検討した結果,プラミペキソールの血中濃度と舌骨最大挙上量との関係において,有意な相関性が得られなかったものの,プラミペキソールの血中濃度高いほど,舌骨最大挙上量が小さくなる傾向があった。つまり,プラミペキソールの血中濃度が嚥下機能に悪い影響を与える可能性が示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Book] 老年医学2015
Author(s)
星旦二,小正裕,髙橋一也,那須郁夫,秋下雅弘,他
Total Pages
3
Publisher
医歯薬出版株式会社