2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23593111
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
梁 洪淵 鶴見大学, 歯学部, 講師 (10298268)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 一郎 鶴見大学, 歯学部, 教授 (60147634)
美島 健二 昭和大学, 歯学部, 教授 (50275343)
井上 裕子 鶴見大学, 歯学部, 准教授 (50367306)
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Keywords | ドライマウス / レスベラトロール / 酸化ストレス |
Research Abstract |
加齢や様々な要因により発症する口腔乾燥症(ドライマウス)は、唾液分泌量の低下と共に続発症として舌炎、口角炎、味覚異常などを呈し高齢者のQOL(Quality of Life)を著しく低下させる。ドライマウスの詳細な成立機序は不明であるが、本症の病的背景として生活習慣病に起因することが当外来の統計学的解析により推察されている。一方、近年の老化研究のトピックスとしてSirt1 分子の制御は哺乳類の寿命延長効果を示すことが示唆されている。Sirt1を活性化する抗酸化物質であるレスベラトロールは加齢に伴い発症する疾患など多種多様に作用することが報告され、特にインスリンの分泌機能を改善することが報告されていることから、ドライマウスモデルマウスであるNODマウスにレスベラトロールを投与した結果、投与群において非投与群と比較して唾液分泌量が増加した。これらの結果を基に昨年度はドライマウス罹患者5名に200mg/日のレスベラトロールを摂取させた結果、摂取前と比較して摂取後は唾液分泌量の有意な差を認めず、脂質酸化ストレスマーカーMDA、HDL-C、コルチゾール値に改善傾向を認めた。今年度は摂取する量を増加し300mg/日をシェーグレン症候群罹患者9名に1ヶ月間クロスオーバーダブルブラインドテストにて摂取させた結果、唾液分泌量は1.09g/2minから1.21g/2minと増加傾向を示した。一方、プラセボを摂取した群では唾液分泌量は減少傾向を示した。加えて、血液検査項目のホモシステイン、HbA1c、IL-6は有意に減少したことより糖・脂質代謝、炎症に改善傾向を認め、LDL-C、PWVは有意に増加を認めた。これらのことより、既に論文で報告されている糖・脂質代謝の改善は今回の研究でも認められ、唾液の分泌も改善することが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画通りに動物実験、低濃度の摂取、高濃度の摂取を実施し研究成果を得ている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画通りに動物実験、低濃度の摂取、高濃度の摂取を実施し研究成果を得ているため、計画通りにデータ解析を実施する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度は最終年度のため、詳細な統計処理を実施する予定のため、データの入力や統計処理を行う。
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