2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23593122
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡邊 生恵 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30323124)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝倉 京子 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00360016)
佐藤 みほ 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30588398)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | 看護師 / 専門職性 / 離職 |
Research Abstract |
本研究は、(1)先行研究で指摘されてきた看護師の離職意向に関連する要因に加え、これまで正確に捉えきれてこなかった真の関連要因を質的に把握、記述した上で、(2)看護師2000名への量的調査を実施し、看護師の専門職性による離職意向への影響について新たな理論モデルの構築を行うことを目的としている。平成23年度は研究目的(1)に対応した研究を以下の通り実施した。【1】先行研究のレビュー:平成23年度後半より実施中の面接調査で使用しているインタビューガイドの作成のために看護師の離職の関連要因に関する先行研究のレビューを行ったところ、1)離職行動は離職意向の程度により予測されること、2)離職行動と離職意向の程度との間には媒介要因が存在することが明らかとなった。そのため面接調査を通して、離職行動を決定づける要因を探る必要性があると考えられた。【2】無記名自記式質問紙調査の実施:平成24年度以降に実施する2回の縦断調査で使用する専門職的自律意識尺度の質問項目内容および信頼性と妥当性の検討、また職業性ストレス尺度(JCQ)や職業コミットメント尺度の使用可能性の検討を目的とした無記名自記式質問紙調査を実施した。対象はA県の大学病院に勤務する看護師780名とした。回収率は58.2%であり、解析の結果、専門職的自律意識尺度の信頼性と妥当性が確認された。その他の質問項目の使用可能性、および変数間の関連性については解析中である。【3】面接調査の実施:離職意向を持つ看護師、または既に看護職から離職した者を対象に離職意向や離職行動に関連する要因についての面接調査を実施中である。面接調査実施に際しては、東北大学大学院医学系研究科倫理審査委員会の承認を得た。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成23年度に宮城県内の1病院に勤務する看護師500名を対象とした専門職的自律意識尺度の信頼性と妥当性の検証を目的とする自記式質問紙調査の実施を予定していた。だが調査対象施設責任者との話し合いにより、東日本大震災発生と震災による影響を十分に考慮する必要があるとの見解から、平成24年度に同調査を実施することとした。それに伴い研究計画内容の見直し、修正を行った。離職者・現職者への面接調査の実施時期についても、離職意向と離職行動の関係性をより明確に把握するためには、離職行動がより多く見受けられると想定される年度末に近い時期が望ましいという見解に至ったため、当初の予定よりも遅らせて開始することとした。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の今後の推進方策は次の通りである。1)平成23年度後半より進行中の離職者・現職者への面接調査を継続実施し、データの解析を行い、平成24年度に実施するベースライン調査で使用する質問項目の決定の際に参照する。2)平成24年度前半に平成23年度に予定されていた専門職的自律意識尺度の信頼性と妥当性を目的とした無記名自記式質問紙調査を実施するが、平成24年度秋には離職意向の関連要因検証を目的とした第1回調査(ベースライン調査)を実施可能とするために、専門職的自律意識尺度の信頼性と妥当性検証のための解析を早急に行うこととする。3)本研究課題における研究結果の妥当性を高めるために、平成24年度実施予定のベースライン調査、平成25年度実施予定の追跡調査の調査対象者については、代表性の高いサンプルの抽出を行う。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費の使用計画は以下の通りである。1)平成23年度後半より進行中の離職者・現職者への面接調査を継続して実施しデータの分析を行うため、逐語禄作成のための業者委託費2)平成23年度の研究成果について学会発表を行うための学会参加旅費。また、研究成果についての論文投稿の際に発生する投稿費用3)専門職的自律尺度の項目内容、信頼性と妥当性の検証のための看護師500名を対象にした無記名自記式質問紙調査実施に向けた調査票の印刷諸経費、調査票の配布回収に用いる封筒購入費用4)専門職的自律意識、職務満足度、職業コミットメント、職業性ストレス、心身健康、離職意向との関連について、仮説モデルを構築することを目的とした、看護師2000名対象の追跡調査のベースライン調査実施に向けた、自記式質問票の印刷諸経費、調査票の配布回収に用いる封筒購入費用、調査票回収時の郵送費用
|