2012 Fiscal Year Research-status Report
抗がん剤化学療法中及び治療後の看護における曝露防止に関する研究
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23593123
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
石井 範子 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10222944)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 真紀子 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40289765)
長谷部 真木子 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60241676)
工藤 由紀子 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20323157)
杉山 令子 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80312718)
菊地 由紀子 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40331285)
長岡 真希子 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40333942)
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Keywords | 抗がん剤 / 職業性曝露 / 看護師 / 化学療法中 / 化学療法後 / 曝露防止 |
Research Abstract |
当該年度(平成24年度)は、米国の病院における看護師の抗がん剤取扱い時の曝露対策を視察することと、前年度に実施した看護師への質問調査の結果について、分析し、学会発表することを目的としていた.それらの結果は以下の通りである. 1.米国の病院における看護師の抗がん剤取扱い時の曝露対策の状況 平成24年10月に研究代表者と研究分担者3名の計4名で、米国サンフランシスコの4病院6箇所の化学療法センターおよびBMT病棟を訪問した.抗がん剤による医療従事者への曝露に対し米国では国家的施策もあることから、何れの施設においても曝露防護策を講じ、実践することは当然のこととされていた.点滴セットや閉鎖式機器は理想的な形態・機能の物が開発され普及していた.ガイドラインの内容やスタッフ教育については、施設により違いはあったものの、各施設の特徴に適したものが構築され、適宜修正しながら活用していることがわかった.与薬行為のほかに、排泄物や汚染リネンの取り扱いについて種々のディスポーザブル製品が使用されていること、患者にも指導していることは日本では未整備の点であることがわかった.曝露対策の実施に対して、日本のように施設管理者の理解が得られないというような声は全く聞かれず、国家的な施策のない日本と大きく異なる点である. 2.化学療法中・治療後の看護における曝露防止策に関する調査の分析と発表 前年度に実施した調査結果を分析し、平成24年2月に金沢市で開催された第27回日本がん看護学会学術集会において発表した.発表内容には多くの参加者が関心示し、示説の発表時には様々な質問や意見が述べられた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.前年度(平成23年度)は、日本の病院の点滴操作、排泄物処理、汚染リネンの処理、使用後の器材や残薬の処理等における抗がん剤曝露防止の現状を把握することが研究の目的であった.そこで、日本の病院に勤務する看護師822名を対象とする質問紙調査の実施と、5箇所の病院への訪問により抗がん剤を取り扱っている看護師と面接し、抗がん剤曝露防止の現状を把握した. 2.当該年度の平成24年度は、米国の病院における看護師の抗がん剤取扱い時の曝露対策の実際を視察することと、前年度に実施した看護師への質問調査の結果の分析と学会発表することを目的としていた.そこで、米国の病院における看護師の抗癌剤取扱い時の曝露対策の状況を把握するため10月に研究代表者と研究分担者3名の計4名で、米国サンフランシスコの4病院6箇所の化学療法センターおよびBMT病棟を訪問した.抗がん剤による医療従事者への曝露に対し米国では国家的な施策もあることから、何れの施設においても曝防護策を講じ、実践することは当然のこととされていた.点滴セットや閉鎖式機器は理想的な形態・機能の物が開発され普及していた.ガイドラインの内容やスタッフ教育は、各施設の特徴に適したものを構築していることがわかった. そして、前年度に実施し、調査結果を分析した.平成24年2月に金沢市で開催された第27回日本がん看護学会学術集会において発表した.発表内容には多数の質問や意見交換が行われた.
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Strategy for Future Research Activity |
1.平成23年度に実施した「化学療法中・治療後の看護における曝露防止策に関する調査」の更なる分析と、その結果について学会発表し、論文作成を開始する. 2.日本の医療施設において看護師の抗がん剤曝露を防止するために、更なる情報収集を行い、日本の看護現場に適合できる防止策を検討する. 3.日本の看護師に日本看護研究学会等で、今年度の米国の病院視察で見聞した曝露防止策を伝える.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度(平成24年度)は、研究代表者と研究分担者3名で米国の病院を視察した.米国出張の経費が高額になるものと想定し、パソコンの購入等を保留していたが、結果として182,002円の残高となった.次年度の交付金と今年度の残金で、保留していた物品の購入と研究活動を実施する. 1.研究代表者、研究分担者で国内の病院を訪問し、研究代表者らが検討している曝露防止策の現場への適合性を看護師に確認する. 2.平成23年度に実施した「化学療法中・治療後の看護における曝露防止策に関する調査」の、平成24年度に発表していない結果について学会発表する. 3.調査結果の分析・論文作成のためにパソコンを購入する.
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Research Products
(2 results)