2013 Fiscal Year Research-status Report
精神科看護者が必要な看護実践能力の解明とリフレクションによる生涯学習モデルの開発
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23593138
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Research Institution | Hokkaido Bunkyo University |
Principal Investigator |
井上 仁美 (小野坂 仁美) 北海道文教大学, 人間科学部, 講師 (70284403)
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Keywords | コンピテンシー / 看護中間管理者 |
Research Abstract |
これからの看護管理者は自らの看護部門だけを見据えた管理ではなく、広く地域社会や制度に開かれた運営が必要になっており、さまざま方面から能力開発の必要性が高まっていると考えられているが、看護管理者としての客観的な能力の基準は示されていないことから看護中間管理者のコンピテンシーを明らかにするために、マクレランドが定義した、ある状況下で「高い業績あるいは成果」をあげる個人の行動つまり「行動特性」に焦点をあてて中間管理者のコンピテンシーを明らかにするために調査を行った。 方法:病床数が200床以上を有する3つの病院に看護中間管理者の経験がある看護部長・看護師長8名に対して行動結果面接法(Behavioral Event Interview、 BEI)を参考にしたインタビューガイドを用いて半構造化面接を実施し主題分析を行った。まず、1981年にBoyatzis11が開発し発展させた、どの職種にも対応できる包括的なコンピテンシーの尺度 であるコンピテンシー・ディクショナリー(以下、CDとする)を使ってデータにコードをふっていく方法で得られたコンピテンシーは、中位レベルの45項目であった。また、新しいコンピテンシー主題を面接のやり取りの中から質的記述的に分析し概念化する方法で抽出された大項目は【クライエント重視】【思考する】【能力開発】【ポジションパワーの活用】【ストレスマネジメント】【自己確信】【組織の理解】【自己学習】【看護職の社会的役割の理解】【他部門との協調】であった。 以上のことから、看護中間管理者の行動に着目したコンピテンシーはCDにおける中位レベルの能力に加えて【自己学習能力】【看護職の社会的役割の理解】が示唆された。【組織へのコミットメント】はCDにおいて「組織のニーズに自らの行動や考えを合わせる」一方で、<看護部と折り合いをつける><スタッフの代弁者>が実践されていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度までの3年間で、全国的な調査を実施する予定であったが、本調査実施のための質問紙の信頼性及び妥当性を検討するための時間がさらに必要であり、交付期間の延長を申請した。
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Strategy for Future Research Activity |
予備調査の質的な検討がほぼ終了したため、今後は全国調査にむけて質問紙の精選をさらに行い、本年度中に全国規模の調査をRCTで実施する予定である。 以上の調査から得られたデータの分析をとおして、精神科看護における看護中間管理者のコンピテンシーを明らかにし、コンピテンシーの開発モデルを検討していく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
昨年度は全国的な調査を実施する予定であったが、本調査実施のための質問紙の信頼性及び妥当性を検討するための時間がさらに必要であり、交付期間の延長を申請した。 予備調査の質的な検討がほぼ終了したため、今後は全国調査にむけて質問紙の精選をさらに行い、本年度中に全国規模の調査をRCTで実施する予定である。 以上の調査から得られたデータの分析をとおして、精神科看護における看護中間管理者のコンピテンシーを明らかにし、コンピテンシーの開発モデルを検討していく予定である。
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