2011 Fiscal Year Research-status Report
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23593148
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Research Institution | Miyagi University |
Principal Investigator |
佐藤 ゆか (大須賀 ゆか) 宮城大学, 看護学部, 准教授 (70363736)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 医療関連感染 / 感染管理 / 教育プログラム |
Research Abstract |
平成23年度は、研究課題1の医療機関における感染管理教育の現状と課題、教育プログラムに関し、国内を中心とした文献検討を実施した。その結果、職員への感染防止教育に関しては、感染管理の専門的教育を受けた看護職とリンクナースによる報告が多数を占めていた。教育対象となる職員には、医療従事者、看護助手、清掃・リネン業者、事務職員などが含まれていたが、その中でも看護職を対象とした教育に関する報告が多かった。感染防止教育の内容としては、手指衛生、標準予防策、感染経路別予防策、医療廃棄物の処理、針刺し事故防止、排泄物(便・尿)を扱う際の看護援助技術、インフルエンザやノロウイルス感染症への対応など、感染防止の基本的な内容が報告されている。教育方法としては、講義や視聴覚教材による集合教育と、基本的な感染防止技術の演習、具体的な場面を想定した演習方法などが取り入れられている。研修の種類としては、全体研修(入職者研修、スタッフ研修)、病棟・外来での研修、リンクナースの研修が行われている。教育効果や教育内容の評価に関する報告は、数少なかった。 感染管理の専門的教育を受けた看護職が不在の病院における感染防止教育の報告は数少なく、それらの病院において、どのような感染防止教育が展開されているか、あきらかになっていないことが判明した。職員への感染防止教育には、専門的知識と技術が必要とされるため、専門的教育を受けていない感染管理担当看護師が職員への感染防止教育を展開していくことは困難な状況にあることが推察された。 医療関連感染を防止いていくためには、1人ひとりの医療従事者が感染防止に関する確かな知識と技術を習得し、実践していくこと必要とされ、感染防止教育はその基盤となるものである。そのため、特に、感染管理の専門家が不在の病院において柔軟に活用できる教育プログラムとその運用システムが必要となると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成23年度においては、研究課題1を達成するために、文献検討を行いながら、宮城県内病院における感染管理教育の現状と課題、教育プログラム・運用システムへのニーズについて、質問紙調査を実施する予定であった。しかしながら、平成23年度3月の東日本大震災の影響により、被災地における病院では、診療機能が低下した病院も少なくなく、倫理的配慮として調査を見送った。そのため、平成23年度においては、文献検討を行いながら、質問紙の作成にとりかかった。 質問紙は、概ね作成できているが、平成24年度の診療報酬改定により、一部修正・検討が必要である。また、対象病院は、東北地方に拡大することを検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度には、8~9月までに、予備調査を経て質問紙調査を実施する。また、欧米を中心とした文献検討を進めていく。教育プログラムと運用システムに関しては、その構成と内容等の大枠を検討し、教材の検討をしながら、平成24年度中に教育プログラムの作成に着手する。 平成25年度には、教育プログラムと運用システムの開発を一通り終え、臨床での運用に着手する。また、教育プログラムを運用システムの評価方法を検討する。 平成26年度には、教育プログラムを運用システムの効果や内容を評価し、運用のための課題をあきらかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
文献と教材の検討に関して、購入費用が発生する。質問紙調査に関しては、印刷費、郵送費、データ整理のための謝金等が発生する。教育プログラム・運用システムの開発に関しては、PCやPC周辺器具、教材作成のための器具や器材、アルバイト謝金が発生する予定である。その他、学会参加・旅費等が発生する。
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Research Products
(2 results)