2013 Fiscal Year Annual Research Report
腰痛要因となる危険前傾角度をリアルタイムに自己チェック可能な学習教材の開発と応用
Project/Area Number |
23593167
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
伊丹 君和 滋賀県立大学, 人間看護学部, 教授 (30310626)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 寿彦 滋賀県立大学, 工学部, 教授 (60157998)
米田 照美 滋賀県立大学, 人間看護学部, 助教 (00353037)
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Keywords | 腰痛 / 看護動作 / 自己学習教材 |
Research Abstract |
看護現場の腰痛は深刻で,腰痛対策は離職者防止の観点からも急務と考える. 本研究課題では,看護現場において腰痛予防のために看護師自身が装着・活用する学習教材の開発を目指している.重量物を持ち上げない看護環境整備も必要であるが,「膝を曲げ上体の前傾を減少させた腰部負担の少ない看護動作」の習慣化によって,看護する者自らが腰痛を予防することが重要と考える.現場の看護師は,多忙な日常業務に追われ,腰部負担の大きい姿勢のままで仕事を行っていることが多い.今回開発を目ざす学習教材は,看護師が日常業務中の看護動作姿勢を常時モニタリングして腰痛要因となる危険前傾角度をリアルタイムで警告することにより,自己の危険前傾姿勢を体感し客観視できるものである.そして,このことによって看護師の動作時姿勢改善と意識の改善および腰痛予防を目ざす. 前年度までの課題は,実際に看護現場で看護師が活用できる教材開発ということで,機器をより小型化するとともに,音発生ではなくそれに代わる振動発生によって,看護動作における前傾姿勢改善を目ざすことにあった.そこで今回,前回試作した機器の機能性を向上させるとともに,小型軽量化に向けて改良することを試みた.なお,本学習教材機器は保存したデータをパソコン画面で自身の姿勢を可視化することも目ざしている.看護学生38名に試用実験を行った結果,ハードウエアの再設計の必要性が浮き彫りにされるなど改良の余地は残すものの,本学習教材の活用による看護動作時の前傾姿勢改善およびボディメカニクス活用への意識向上などの効果が認められた.今後,看護現場において実際に活用可能なものにするべく,腰痛要因となる危険前傾角度をリアルタイムに自己チェック可能な学習教材の実用化に向けて研究を継続する.
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