2011 Fiscal Year Research-status Report
看護学部生に対する分野横断的なエンドオブライフ教育プログラムの構築
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23593168
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
糸島 陽子 滋賀県立大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (70390086)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥津 文子 滋賀県立大学, 公私立大学の部局等, 教授 (10314270)
前川 直美 滋賀県立大学, 公私立大学の部局等, 助教 (20352916)
大辻 裕子 滋賀県立大学, 公私立大学の部局等, 助手 (90552638)
BECKER CARL.B 京都大学, 学内共同利用施設等, 教授 (60243078)
荒川 千登世 滋賀県立大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (10212614)
本田 可奈子 滋賀県立大学, 公私立大学の部局等, 助教 (60381919)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | エンドオブライフ教育 / 看護学部生 / 教育プログラム |
Research Abstract |
本研究は、『看護学部生に対する分野横断的なエンドオブライフ教育プログラムの構築』の第1段階として、「看護学部生に対する分野横断的なエンドオブライフ教育プログラム試案」を作成することを目的としている。 初年度は、独立行政法人福祉医療機構データベース(WEB版)から無作為抽出した40病院と成人看護領域が実習している3病院に勤務する新人看護師・看護師長に対して、エンドオブライフに関する質問紙調査を実施した。調査結果より、「人が死ぬということ・命の尊さ」「患者や家族とのコミュニケーション」「痛みや苦痛を緩和させるケア」「看取り時のケア(エンゼルメイク含む)」「ストレス・マネージメント」「アセスメント(状況判断能力)」「緩和ケア実践者の具体的なケア」についての教育ニーズが抽出された。 また、ワシントン大学医学部のエンドオブライフ教育現状の視察をとおして、体験した感情を大切にして言語化させたのち、その感情に意味づけしながらエンドオブライフケアを考えていくことの重要性を感じプログラム試案に取り入れた。その後、ワシントン大学のファーバー先生を招き、「重症患者と家族に関わるための効果的な方法」の講演会を開催して、エンドオブライフケアについて学部生を含めて討議する機会を設けた。 これらのことをもとに、「看護学部生に対する分野横断的なエンドオブライフ教育プログラム試案」を作成して、ターミナルケア論・ターミナルケア論演習・ターミナルケア論実習で施行している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の目的は、「看護学部生に対する分野横断的なエンドオブライフ教育プログラム試案」を作成することにある。新人看護師・病棟師長への質問紙調査、およびワシントン大学のエンドオブライフ教育現状の視察により、「看護学部生に対する分野横断的なエンドオブライフ教育プログラム試案」は作成できたので、おおむね順調に進展していると考える。 回答を得た貴重な意見をもとに、「看護学部生に対する分野横断的なエンドオブライフ教育プログラム試案」を作成して、ターミナルケア論、ターミナルケア論演習、ターミナルケア論実習で、プログラム試案を施行している。 しかし、11月の調査時期では新人看護師がエンドオブライフにある人々とその家族へのケアを担当していない病院もあり、新人看護師・病棟看護師からの質問紙調査の回収率が当初の予定より低く、課題として残る。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、昨年作成した「看護学部生に対する分野横断的なエンドオブライフ教育プログラム試案」を施行しながら、学部生からの評価を行う予定である。 3年次講義終了後に、Frommeltの医療者のターミナルケア態度尺度日本語版(宮下)を用いて、学部生がエンドオブライフにある人々とその家族に関わることについてどのように感じているのかを知る。また、「各講義や演習はエンドオブライフケアを考える上で必要であったか」「実習に行く前にどのようなことを学んでおきたかったか」「実習に行く前に気になっていることはどのようなことか」などを調査して、ターミナルケア論実習につなげていく予定である。 計画当初、学部生からの評価を3年次(講義終了後)と4年次(実習終了後)に調査する予定であったが、ターミナルケア論実習が3年次後期~4年次前期の科目から、3年次後期の科目にカリキュラム改正が行われたため、学部生評価の時期を変更する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は、「看護学部生に対する分野横断的なエンドオブライフ教育プログラム試案」の評価をするために、学部生に質問紙調査を実施する予定である。しかし、カリキュラム改正にともない評価時期が平成24年度に変更する予定である。 そのため、平成25年度は、エンドオブライフケア(看取りのケア)を実践した学部生に聞き取り調査を行い、看取りのケアの有無による学生の学びの違いを検討していく予定である。 また、「看護学部生に対する分野横断的なエンドオブライフ教育プログラム試案」の検討をすすめていくために、国内外の関連学会に参加していく最新の知見を得てエンドオブライフ教育プログラム試案を修正していく予定である。
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