2013 Fiscal Year Annual Research Report
看護職の専門的自律性に影響を与える組織文化要因の検討
Project/Area Number |
23593186
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
志田 京子 大阪府立大学, 看護学部, 教授 (20581763)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 安史 北里大学, 医学部, 講師 (40552865)
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Keywords | 専門的自律性 / 自己決定理論 / 倫理的職場風土 |
Research Abstract |
本研究最終年度として、社会的望ましさと倫理的意思決定との関連性を検討した。社会的望ましさとは、人他人からよく思われたい」もしくは「人に悪い印象を与えない」といった動機によって実際の自分とは異なる自己呈示を行うこと(藤井、2011)である。関東近郊の急性期病院に勤務する看護師を対象に、信頼性・妥当性が検証された尺度である、Crowne& Marlowe(1960) の社会的の望ましさ(social desirablity)尺度(MC-SDS)と身体抑制必要性尺度(perception of restraint use questionnaire,PRUQ)を用いたアンケート調査を実施した。研究対象者内訳は、男性31名、女性279名、年齢は平均33.7±10.4歳、大学卒看護師割合は10%であった。因子分析の結果、PRUQは(1)転倒・転落因子、(2)高齢因子、(3)事故防止因子、(4)生命に危険を及ぼす事故防止因子、(5)職員不足に関する因子、(6) 一般的な倫理的問題への関心という以下の6つのカテゴリに分けられた。MC-SDSは、自己欺瞞と印象操作の2つのカテゴリに分けられる。自己欺瞞は転倒・転落因子、事故防止、生命に危険を及ぼす事故防止因子とそれぞれ相関関係を認めた(p<0.05)。印象操作は一般的な倫理問題への関心と相関関係を認めた(p<0.05)。その他、学歴は生命に危険を及ぼす事故防止因子に有意に影響を与えていた(p<0.05)。個人の倫理観を問う研究には社会的望ましさをバイアスとして考慮する必要があるといわれているが、今回の調査によって身体抑制への意思決定に自己欺瞞のバイアスが多くの因子に影響を与えることが明らかとなった。本研究の結果は2014年の第25回Sigma Theta Tau International Research Congress で発表予定である。
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Research Products
(1 results)