2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23593192
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Research Institution | Toin University of Yokohama |
Principal Investigator |
片山 富美代 桐蔭横浜大学, 工学部, 准教授 (70309649)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 恒美 桐蔭横浜大学, 工学部, 教授 (80257427)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | コロトコフ音 / 循環モデル / 医療・福祉 / 波形解析 / 健康指標値 |
Research Abstract |
平成23年度は主に静脈注射練習用の腕モデルと拍動血流ポンプを模擬血管(シリコンチューブ等)で接続することにより簡易循環モデルを構築し、人体と同様のコロトコフ音(以下K音)が発生できるかどうかについて検討した。腕モデル付属の標準の血管モデルを用いた確認実験の結果、人体よりも高い血圧値になるものの、カフ圧を減圧していく際にK音と同様な以下の4つの現象が観測できることを確認した。(1)カフ圧を上げていく(最高血圧を上回る)と、一旦音は消失する。(2)減圧していく際に波形の変化する4つから5つの相がある。(3)急激なマイナスピークが見られる。(4)カフ圧を下げていく(最低血圧を下回る)と、音は消失する。これらの結果からK音の発生自体はできるようになったと思われる。 さらに、途中で観測される波形は、以前に取得した高齢者の波形とも類似点があることも明らかになった。しかしながら、観測波形には人体では見られない雑音も多く観測された。これは拍動血流ポンプ自体の機械音、チューブのつなぎ目で内径が急激に変化する箇所での乱流などが原因として考えられるため、改善が必要である。また、現在は血液の代わりに純水を用いているが、実際には血液の粘性もK音波形に影響していると思われる。そのため、血液を模擬した生理食塩水の濃度を変化させた場合の実験も行ったが、多少の濃度変化では波形にさほど影響がないことが明らかになった。 なお、比較のために近隣のデイケアセンターにおける高齢者のK音の波形取得はほぼ3ヶ月おきに継続して行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
安定した循環モデル構築に予想以上に時間がかかったものの、K音と類似の波形自体は計測できるようになった。しかしながら、静脈注射練習用の腕モデルには5種類の血管モデルが付属しており、まだ、標準の血管モデルしか実験で試していない状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
標準の血管モデル以外のモデルも使用し、拍動血流ポンプ等の調整も行って、各年代における波形データとの照合を進める。血液の粘度も影響する可能性があるため、粘度の高い模擬血液の使用も検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験の都合上、腕モデルが複数あったほうが実験の進展が円滑に進むことが予想されるために腕モデルの購入を検討する予定である。
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Research Products
(3 results)