2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23593192
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Research Institution | Toin University of Yokohama |
Principal Investigator |
片山 富美代 桐蔭横浜大学, 工学部, 准教授 (70309649)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 恒美 桐蔭横浜大学, 工学部, 教授 (80257427)
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Keywords | コロトコフ音 / 循環モデル / 医療・福祉 / 波形解析 / 健康指標 |
Research Abstract |
平成24年度は主に静脈注射練習用の腕モデルと拍動血流ポンプを模擬血管(シリコンチューブ等)で接続した簡易循環モデルを用いて、拍出量、拍動数および粘性を変えた各種実験および人体波形との比較を行った。最初に拍動血流ポンプの拍出量が増やすことにより、マイクロホンにより取得される振動速度振幅が増加し波形の特徴が強調されることが観測された。これは1回の拍動における流量が増加することによりチューブ内圧が高まったことが原因と思われる。 次に拍動数を増加させると観測されるK音波形の全体の長さが短くなることが判明した。これは明らかに1回の拍動にかかる時間が短くなったことが原因である。粘性についてはグリセリン水溶液を用いることで実際の血液に近い粘性のものと純粋を用いたものとを比較した。実験結果より、純粋を用いたものに比べるとグリセリン水溶液を用いたものは振動速度振幅が増加することが観測された。これは粘性の影響によりチューブ内の液体の流れに変化があったためと考えられる。これらの腕モデルを用いた実験結果より、血管の形状や血管内の圧力のかかり方や粘性の違いなどが波形変化に影響していることが判明した。 最後に腕モデル波形と60歳代以上の高齢者および20歳代の若年者との人体波形の比較を行った。時間波形および周波数解析結果からは腕モデルの波形は若年者と高齢者の波形の両方の特徴をあわせ持つ波形であることが判明した。なお、近隣のデイケアセンターにおける高齢者のK音の波形取得はほぼ3ヶ月おきに継続して行っており、年代毎の波形変化の状況の観察も行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
循環モデルを構築しK音と類似の波形自体は計測できるようになったものの、人体の波形とはかなり異なっていたために、その調整に時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
腕モデルに付属の血管タイプによる違いを検証する。また、現状では腕モデルの波形は高齢者と若年者の両方の特徴を持つため、その調整を行いつつ人体波形との比較についても継続する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(4 results)