2012 Fiscal Year Research-status Report
人間工学を応用した対策指向型の看護業務改善手法の開発研究
Project/Area Number |
23593197
|
Research Institution | Tokyo Ariake University of Medical and Health Sciences |
Principal Investigator |
吉川 悦子 東京有明医療大学, 看護学部, 講師 (00435554)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 徹 公益財団法人労働科学研究所, その他部局等, 研究員 (50332218)
|
Keywords | 看護学 / 人間工学 / 看護業務改善 / 参加型アプローチ / PAOT / 看護師 / アクション・リサーチ / 参加型職場環境改善 |
Research Abstract |
本研究は、安全・安心で質の高い看護サービス提供のために、現場で働く看護師が最大限にそのパフォーマンスを発揮できる業務設計のための対策指向型看護業務改善システムの開発研究である。具体的には、1)看護業務改善良好実践事例の収集と分析、2)看護業務改善のための人間工学的介入視点(チェックポイント)の構造化、3)参加型対策指向看護業務改善のためのトレーニングプログラムの開発と評価指標の検討を行う。特に、現場で働く看護師が安全・安心で健康的な労働生活を送るために必要な労働環境改善手法について、人間工学領域で蓄積された方法論を応用し検討する。 平成23年度は看護業務改善の良好実践事例収集と分析を実施し、この分析結果を基に平成24年度は、看護業務を改善するための人間工学的介入視点(チェックポイント)の構造化と、対策指向型看護業務改善プログラムに活用できる人間工学的視点からのトレーニング手法の分析を行った。 人間工学的介入視点(チェックポイント)は10領域60項目からなるチェックポイントの構造化を行い、これらを現場で簡易に活用できるように30項目の短縮版をチェックリストとして作成した。対策指向型看護業務改善プログラムに活用できる手法として、参加型アプローチの概念分析を行い、その手法や手順を整理した。次年度は、参加型対策指向トレーニングプログラムの評価指標について検討し、パイロットトレーニングを実施する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の目的としていた人間工学的介入視点(チェックポイント)の構造化は終了し、看護師や人間工学専門家からの妥当性の検討、短縮版の開発など順調に進展している。また、次年度、パイロットトレーニングを予定している対策指向型看護業務改善プログラムについて、その方法論の検討も一部進捗しているため、おおむね順調な進展と判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度は、本研究の最終目的である対策指向型看護業務改善プログラムと効果評価方法の開発に着手する。 平成24年度に実施した看護業務を改善するための人間工学的介入視点(チェックポイント)の構造化と対策指向型看護業務改善プログラムに活用できる人間工学的視点からのトレーニング手法の分析に基づき、参加型アプローチを用いた職場環境改善のトレーニングプログラムの開発、ならびに参加型アプローチを用いた職場環境改善によるアウトカムの視点の体系化を目指す。病院職場における参加型対策指向トレーニングプログラムのアウトカム評価指標の検討に際しては、研究代表者・分担研究者の他に、現場看護師、産業分野における現場改善の実践者らも研究グループに加わってもらい、研究者と現場実践者との協働作業によるアクションリサーチの形式で研究を進める。アクションリサーチにより明らかになった評価指標については質問紙調査により信頼性、妥当性の検証を行う。 これらの知見に基づき、病院職場においてパイロットトレーニングを実施する予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は、対策指向型看護業務改善プログラムの効果指標の開発を目的とした現場実践者への質問紙調査の実施を予定しているため、郵送費、データ入力、調査アシスタントの謝金が発生する。 またアクションリサーチの形式をとるため、現場実践者との会議を開催する際は旅費が発生する。 研究結果を国際学会にて発表予定のため、学会参加費、旅費等の経費が必要となる。
|
Research Products
(6 results)
-
-
-
-
-
-
[Presentation] 人のケア作業改善におけるアクションチェックリスト設計と応用
Author(s)
吉川悦子, 真家和生, 吉川徹, 小木和孝, 榎原毅, 城憲秀, 錦戸典子, 佐々木美奈子, 武澤千尋, 吉野正規, 長須美和子, 水野ルイス里美, 蓑田さゆり
Organizer
第 47 回人類働態学会全国大会
Place of Presentation
埼玉