2012 Fiscal Year Research-status Report
災害看護コンピテンシーに基づく教育プログラムと評価尺度の開発
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23593205
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Research Institution | Kobe Tokiwa University |
Principal Investigator |
畑 吉節未 神戸常盤大学, 保健科学部, 教授 (10530305)
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Keywords | 災害看護 |
Research Abstract |
【具体的内容】災害看護ラダーの設定を行うために必要な看護師の役割・職位ごとの災害看護行動の共通性と個別性を明確にするため研究を進め、研究成果発信の一環として、第2回世界災害看護学会にて発表し、参加者と討議をした。また、ラダーを生かす災害看護教育を進める上で、看護者の語りを効果的に学びにつなぐために、役割・職位ごとの学びの構造を明らかにする。手始めに、看護管理者の学びの構造の分析を行い、経験からの学びを効果的に生かしていることが分かった。身につけるべき能力を多角的な視点から検討するために、災害医療の現場でともに働いた医師からの視点も加えて災害看護実践行動の課題と成果をあげた行動を明らかにした。こうした研究成果を看護者の語りをもとに作成した災害看護行動シナリオの精選に生かしている。 【意義】本研究は、先行研究である「災害看護コンピテンシーの抽出と構造化」の成果を生かし、看護者の災害看護実践能力の形成・強化を図るための教育プログラムの開発を目的としている。質の高い災害看護の提供を実現するには、看護者の能力に相応しい効果的な教育プログラムの開発、そのプログラムによる学習成果を評価する尺度の開発が欠かせない。看護基礎教育から現任教育で適応できる教育方法と評価尺度を開発し、看護師が災害時に的確に対応できる力を身につけさせることにある。 【重要性】2009年度から看護基礎教育課程に災害看護導入され、教育が始まっている。南海トラフ地震など大災害の発生も予測される中で、災害の多様性・個別性に的確に対応する基礎的能力を養うことが喫緊の課題である。災害は非日常的な出来事であり、実際の災害の中で看護者を動機づけ理解を深めることが困難である。災害現場で高い実践能力を発揮した看護師の看護実践、困難な状況や直面した課題等の経験から同定した災害看護コンピテンシー等をプログラム開発の中に生かすことが重要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画に沿って研究を実施し、災害看護教育プログラムの開発と評価尺度の開発のために、災害看護ラダーの設定を行うために必要な看護師の役割・職位ごとの災害看護行動の共通性と個別性を明確にするため研究を進めるとともに、質の高い災害看護実践を行った看護者の学びの構造を分析している。また、2012年度は研究成果を発信する機会として第2回世界災害看護学会で発表し参加者と討議を重ねることを通して、災害の多様性を超えて国内外での適用等、研究成果の幅広い活用可能性について確かめることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究費助成の最終年にあたる2013年度は、看護師の災害への備えを高めるための体系的な教育プログラムの作成を目標にしている。経験学習のサイクルの中で看護師が効果的に学ぶことができるように、学習サイクルの入り口となる「経験」を教材化するために既に災害時に質の高い災害看護実践行動を行った看護師の行動、出来なかったことや課題として残ったことを明らかにした。こうして得られた災害看護実践行動のカテゴリーをもとに災害看護シナリオの精選を進め充実を図る。また、シナリオに埋め込まれた他者の経験からの学びを適切に振り返り、深め、「災害看護」学習を促す自己評価尺度の開発を試みる。尺度開発を通して、どのような備え行動につながるかも併せて検討する。その際には、既に着手している役割・職位ごとのラダー、看護者の学びの構造に関する研究成果を生かす。また、開発した尺度は、災害拠点病院での研修機会等の協力を得て、参加型教育・訓練でその効果性を確かめるとともに、看護基礎教育における学生の教育にも活用し、看護者の生涯を通した学びにつながる教育プログラムづくりをめざす。 加えて、災害看護実践経験を持つ看護師が自らの看護実践行動を振り返り、ストレスコーピングに用いることができる災害看護実践行動振り返り尺度の開発可能性についても検討を行う。カテゴリーの抽出に協力いただいた40名のインタビューイにシナリオについて意見をもらうと同時に、当時、カテゴリーの中からどのような行動に強くストレスを感じたか等を調査し試行版を作成する。いずれの検討も、専門家委員会を設けて討議しながら進め、研究成果は日本災害看護学会等での発表や論文投稿を行い、幅広い関係者との議論を深める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(3 results)