2011 Fiscal Year Research-status Report
仕事経験を学習に転換する次世代リーダー育成プログラムの開発
Project/Area Number |
23593211
|
Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
原田 広枝 福岡大学, 医学部, 教授 (60380383)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大池 美也子 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80284579)
長弘 千恵 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 教授 (00289498)
中嶋 恵美子 福岡大学, 医学部, 准教授 (30461536)
塚原 ひとみ 福岡大学, 医学部, 准教授 (20555403)
吉川 千鶴子 福岡大学, 医学部, 講師 (60461539)
須崎 しのぶ 福岡大学, 医学部, 助手 (20469381)
山下 千波 福岡大学, 医学部, 助手 (30469382)
川口 賀津子 福岡大学, 医学部, 助手 (40469383)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | 次世代リーダー / リーダーシップ / 仕事経験 / 振り返り / リーダー育成プログラム |
Research Abstract |
研究目的は、看護部門における次世代リーダーの成長を促す仕事経験の課題を解明し、仕事経験を学習に転換する次世代リーダーの育成プログラムを、意識変容の学習理論を活用して開発する。 研究デザインは、ミックス法であり、平成23年度は研究の第1段階として、(1)看護部トップ管理者には量的な実態調査、(2)看護師長には一皮むけた経験の記述調査を行い、次世代リーダーとしての成長を促す仕事経験を明確化することであった. 研究対象は全国300床以上の病院から無作為に選択した500施設の看護部トップ管理者と看護部トップ管理者から内諾が得られた、上記施設の看護師長各1名であった。 データの収集・分析として、看護部トップ管理者に本研究の趣旨・目的・倫理的事項を明記して調査依頼した。調査内容は、看護部トップ管理者には、次世代リーダーの早期識別の有効性、選択方法と選択時期、現状と課題、次世代リーダーに与える課題の内容、ロールモデルの選択方法と選択基準、次世代リーダーに与えた仕事経験から次世代リーダーは何を学んだのか、学習を促進したのは何かに関する質問紙を送付した。看護師長には「一皮むけた仕事経験」を(1) 仕事経験の内容、年齢、仕事経験の課題(挑戦)の大きさ、(2)仕事経験の学習方法、(3)一皮むけるために有効であった支援(家族・職場や上司の支援)、(4)その経験が持つ意味や価値、の内容を含んで記述してもらった。 調査の時期は平成24年2月15日から3月末として、返送は各自による郵送法とした。 調査結果の入力や分析は次年度の課題とした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
倫理申請や調査用紙の作成、プレテストに時間をとられ、質問紙調査の時期が当初の計画より遅れた。調査の実施時期が業務繁忙期の年度末にかかったことや記述調査が敬遠されたのか回収率が低く、データ数が十分ではない。得られたデータを現在分析中であり、分析結果によっては質問紙調査の範囲を拡大して再調査を行う必要があるかもしれないと考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
第2段階は次世代リーダー育成プログラムの作成を行う予定である。第1段階での看護師長による自己の仕事経験の批判的振りかえり分析や看護部長の調査結果から、意味の変容や価値の生成をもたらす体系的・実際的な学習過程の構築を図る予定である。また、次世代リーダーの成長・発達に有効な刺激・情報・リソースの提供として、次世代リーダーとしての育成を受けている対象者にフォーカス・グループ・インタビューを行い、質的帰納的方法によって分析して、次世代リーダー育成プログラムの追加、修正、精緻化を行うことである。 研究方法は福岡県内300床以上の設置主体の異なる病院で、i)看護部トップ管理者から内諾が得られた10病院に本研究の趣旨・目的・倫理的事項を明記した研究説明書と同意書を同封して送付し、看護管理者から推薦する看護師長に配布を依頼する。ii)看護師長からの返送は各自による郵送とする。iii)看護師長による、フォーカス・グループ・インタビューの実施。iv)同意を得てインタビュー内容を録音し、データにおこす。v)意味内容の共通性、類似性、相違性から整理・分類する。vi)仕事経験を学習に転換するための環境要因や学習方法の検討を元に、次世代リーダーの仕事経験を学習に転換する次世代リーダー育成プログラムを構築する。 次世代リーダー育成プログラムは、研究者間の対話とフォーカス・グループ・インタビューの結果より推敲する予定である。 25年度には、看護部トップ管理者や看護教育・看護管理の研究者らのフォーカス・グループ・インタビューによる次世代リーダー育成プログラムの有効性を検討するとしている。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
質問紙調査の時期が遅れ回収率が低迷して郵送代金が予想よりかからなかったことや、調査結果の入力等の人件費、データ整理・データ保管のためのコンピュータや保管庫等の購入が遅れたことが当該研究費の繰り越しが生じた理由である。また、文献検討や実践家による専門的知識の入手のための活動も不十分であり、そのための出張も次年度に行う予定である。 また、次年度はインタビューの人数や回数を拡大して調査研究で不足したリッチなデータを入手し、研究を進めたい。 さらに、23年度の結果をまとめ学会等に発表して助言や意見をいただきたい。
|