2012 Fiscal Year Research-status Report
仕事経験を学習に転換する次世代リーダー育成プログラムの開発
Project/Area Number |
23593211
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
原田 広枝 福岡大学, 医学部, 教授 (60380383)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大池 美也子 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80284579)
長弘 千恵 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 教授 (00289498)
中嶋 恵美子 福岡大学, 医学部, 准教授 (30461536)
塚原 ひとみ 福岡大学, 医学部, 准教授 (20555403)
吉川 千鶴子 福岡大学, 医学部, 講師 (60461539)
須崎 しのぶ 福岡大学, 医学部, 助手 (20469381)
山下 千波 福岡大学, 医学部, 助手 (30469382)
川口 賀津子 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 講師 (40469383)
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Keywords | 次世代リーダー / 一皮むけた仕事経験 / 学習 / 育成プログラム / フォーカス・グループ・インタビュー |
Research Abstract |
23年度に調査した次世代リーダーの一皮むけた仕事経験の記述調査や、次世代リーダーに与える仕事経験の実態調査結果を看護系学会で発表した。 「次世代リーダーの成長を促す仕事経験-一皮むけた仕事経験の記述分析-」では、看護師長の一皮むけた仕事経験は、重責を担う覚悟を基盤にした課題への挑戦である。管理者としてより良い組織運営や質の高い看護実践を目指す中で、初めての管理経験による数多くの失敗を内省することで自他共に成長させる機会となっている。師長にとっては苦痛や苦難、自己の未熟さを知覚する機会でもあり、立ち向かうためには上司の支援やスタッフとの信頼関係の重要性が窺えた。 「次世代リーダー育成のための早期選抜教育の現状と課題」は看護部管理者の認識として次のことが示された。①人材育成が課題として強く認識されており、早期選抜教育の実施においては、人材を選抜し教育するための基準作りと評価方法の明確化が課題である。②リーダーに必要な資質や能力として人間関係力を求めており、看護部リーダーがトップリーダーではなく部門リーダーとして認識されている。③次世代リーダーの選抜では、洞察力や変化に柔軟に対応する力、変革力、誠実な人間性を重視している。④リーダーの成長につながる経験として、「プロジェクトへの参画」を考えている。⑤リーダー育成に組織として必要なことは、リーダーシップを自由に発揮できる環境と裁量権を与え、リーダーとしての自律と創造性の成長を支援する。 次に、次世代リーダーとして育成を受けている中間管理者にフォーカス・グループ・インタビューをおこなった。課題は次世代リーダーの成長を促す仕事経験を学習に転換するための環境要因や学習方法の検討を元に、次世代リーダーの仕事経験を学習に転換する次世代リーダー育成プログラムを構築することである。参加者は8名で現在データの分析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.研究計画書に添って実施できている。 2.研究時期は3ヶ月ほど遅れているが、最終年である今年度中には終了できる予定である。 3.学会発表により会誌が2編、論文を1編投稿中である。 4.研究組織は退職者等もあり変更を余儀なくされたが、新研究分担者は今後研究を実施する質の研究者であり、研究進展に協力が得られる。 5.今年度の研究予算は確保できている。
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Strategy for Future Research Activity |
次世代リーダーを対象にしたフォーカス・グループ・インタビューの結果や研究者のリーダー教育実践の知見や文献の分析から次世代リーダー育成プログラムを構築する。ついで、プログラムの有効性の検討を看護部トップ管理者や看護教育・看護管理の研究者らを対象にフォーカス・グループ・インタビューによって行う。 研究対象者は研究者のネットワークを基に、看護部トップ管理者、看護教育・看護管理の研究者6名を選択し、フォーカス・グループ・インタビューへの参加を求める。依頼者には本研究の趣旨・目的・倫理的事項を明記した研究説明書と同意書を送付し、同意を得る。フォーカス・グループ・インタビューでは、プログラムの妥当性、信頼性の検討を行う。妥当性・信頼性の検証はプログラムの現実性、実践性、範囲性、適切 性を参加者へのインタビューによって行う。インタビュー時は同意を得てインタビュー内容を録音し、データにおこす。参加者間の討議や記録物の確認によるプログラムを洗練させる予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
繰越金が発生したのは、フォーカス・グループ・インタビューの参加者が県内の居住者であり交通費の経費が予想よりかからなかったことと、データ収集時期が年度末になり、データの整理やデータの保存のための物品の購入が今年度中にできなかったことによる。次年度にはこれらの物品を購入したり、分析結果の整理のための文献購入や実践家による専門的知識の入手、発表のための旅費や論文投稿代等に当てる予定である。 さらに、次年度研究のための研究費の使用計画としては、フォーカス・グループ・インタビューのための謝金、交通費、データ入力依頼費、学会発表や専門的知識入手のための研修会参加等の交通費、論文作成のための書籍、論文投稿費等である。
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Research Products
(2 results)