2013 Fiscal Year Annual Research Report
リンパ浮腫に対する運動療法プログラムの開発と効果の検証
Project/Area Number |
23593219
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
野戸 結花 弘前大学, 保健学研究科, 教授 (80250629)
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Keywords | リンパ浮腫 / 圧迫下での運動療法 |
Research Abstract |
リンパ液の還流促進に効果的な「リンパ浮腫用弾性着衣圧迫下での運動療法プログラム」開発への示唆を得ることを目的として、平成25年度は以下の研究を実施した。 乳がんの術後でリンパ浮腫を発症し日常的に弾性スリーブを着用している患者9名を対象に、上肢リンパ浮腫用弾性着衣着用下での、運動による弾性着衣と皮膚の接触圧の変化を測定し、接触圧の上昇に有効な運動の種類を明らかにした。次に、接触圧上昇に有効な運動を取り入れた「リンパ浮腫用弾性着衣圧迫下での運動療法プログラム」を作成し、研究参加者に説明及び運動指導を行った。プログラム参加時、参加から1ヶ月毎に患側及び健側の上肢周囲径を計測し、手関節から上腕上部の腋窩ラインまでの体積を概算した。また、プログラム終了時に運動の実施状況や実施の難しさ等に関する調査を行った。 プログラム参加者9名中、体調不良のため2名は継続困難となり、参加者継続者は7名であった。プログラム参加継続期間は6ヶ月が3名、5ヶ月2名、4ヶ月2名であったため、プログラム開始時から4ヶ月後までを分析対象とした。プログラム参加継続者の多くは弾性スリーブ着用と指導された運動を継続して行っており、運動の実施と継続に困難は感じていなかった。一方で、浮腫軽減効果については満足度が高いとは言えないことが分かった。プログラム参加後の上肢容積は、患側前腕では有意な減少は見られなかったが、患側上腕は開始時に比して1~4ヶ月後は有意に容積が減少していた。以上より、「運動療法プログラム」開始から1ヶ月で浮腫は軽減し、軽減効果は持続するが、その後の継続的な減少は確認できなかった。
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Research Products
(1 results)