2013 Fiscal Year Annual Research Report
がん看護におけるアウトカムマネジメントに関する研究
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23593226
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
上條 優子 信州大学, 医学部, 講師 (40530431)
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Keywords | がん看護 / 疼痛緩和 / 看護ケア |
Research Abstract |
前年度、どのような看護ケアががん患者によい影響を与えるのか検討したところ、患者に生じる様々な不快な症状を緩和すること、特に疼痛管理において看護ケアが有効に働くということが見えてきた。平成25年度は看護ケアのアウトカム指標とするために、いつ、どのように、何を測定することが妥当なのか検討した。 実際に何らかの痛みを訴えていた患者141名について調査した。平均年齢60.3±13.7歳(21歳から87歳)、男性29%、肺がん10%、乳がん33%、婦人科がん21%、胃がん3%、すい臓・胆管がん13%、腸管がん9%、泌尿器がん7%、その他4%であった(ダブルキャンサー含む)。病期はI期8%、II期11%、III期23%、IV期56%、不明2%であった。約90%が化学療法を受けていた。痛みの強さはVisual Analog Scaleで0は全く痛みがない、10は最も痛いとして測定した。その日の最も強い痛みが4以上の患者は48.2%いた。痛みのパターンは、1日に何度か強い痛みがある患者が29%、普段から強い痛みがある11.4%、強い痛みが1日中続く2%であった。痛みの原因は、腫瘍関連の痛み51%、治療に伴う痛み25.5%、腫瘍と関係のない非がん性疼痛23.4%であった。痛みの種類は体性痛43.2%、内臓痛22.2%、神経障害性疼痛18.1%、心因性2.7%、その他13.7%であった。痛みの部位は1か所のみ56.7%、複数個所43.3%であった。鎮痛剤使用状況は、使用なし70%、NSAIDsのみ13.5%、オピオイド使用16.7%であった。3か月後の痛みの調査ではマッサージや温罨法、会話など看護ケアが痛みの緩和に役立ったという回答を得た。詳細な痛みのアセスメントを行うことが効果的なケアにつながるため、VASによる痛みの強さ、すなわち最も痛い値、弱い値を測定することでアウトカム評価が可能であると考える。
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